ヴァン・ド・コルス・サルテーヌの気候・風土
ヴァン・ド・コルスは、コルシカ島の沿岸にあるワイン生産地帯。ヴァン・ド・コルス・サルテーヌの「サルテーヌ」は村の名前であり、ヴァン・ド・コルスにはほかに「コトー・デュ・カップ・コルス」「カルヴィ」「フィガリ」「ポルト・ヴェッキオ」など、産地となる村の名前を冠することを許されたワインがある。
プロヴァンスの南東に位置するコルシカ島には、結晶片岩、花崗岩、粘土質石灰、泥灰土質石灰などからなる複雑な土壌が広がる。温暖な地中海性気候で、日照時間は年間2750時間にもおよぶなど、独自の地理条件となっていて、そうした環境でフランス本土ではつくられていないコルシカ島独自のぶどう品種を育て、個性的なワインを生産している。
ヴァン・ド・コルス・サルテーヌのワインの特徴
ヴァン・ド・コルスのワインは、上質と言われているが生産者の違いが大きい。
イタリア系のぶどう品種にフランス系のぶどう品種を混ぜてつくるのが一般的で、村によって品種や混合比率が異なる。主に、コルシカ島独自の赤ぶどう品種シャカレッロとニエルキオ、白ブドウ品種のヴェルマンティーノが使用されている。
赤ワインは、香りが強くボディーがあり、飲みごろは5~6年。白ワインとロゼは、フレッシュで果実味のある若飲みタイプ。ヴァン・ド・コルス・サルテーヌでは、主に赤ワインとロゼを生産している。
エピソード
ヴァン・ド・コルスがあるコルシカ島は、ナポレオンの生まれ故郷。先住民はコルシカ語という言語を使用していたという。その後も独自の文化を育み、歴史、言語の面でもフランス本土とは異なる道を歩んできた。
コルシカ島でのワインづくりは、ギリシャ人が植民地支配していた紀元前6世紀には始まっていたとされている。
コルシカ島のワインは長い間、同島内で消費されるだけで、外に出ることがなかったが、近年観光客が増えるにつれて、名が知られるようになってきた。また、生産者が栽培技術の近代化や、収穫量の管理、市場調査などに注力した結果、ワインの品質が向上し、AOC認定を受けるワインが増加している。
ヴァン・ド・コルス・サルテーヌの代表的なワイン
ヴァン・ド・コルス・ブラン/ドメーヌ・クロ・フォルネリ
ヴァン・ド・コルス・ルージュ/ドメーヌ・クロ・フォルネリ
ヴァン・ド・コルス・ロゼ /ドメーヌ・クロ・フォルネリ