コート・デュ・ローヌ

ローヌワインの特徴とは

   

フランス南東部のローヌ川流域で生産されるワイン、あるいはその生産地域を指す。ローヌ(Rhone)地方は大きく南部と北部に分かれており、南北200km、東西100km程度に及ぶ。フランスではボルドーに次いで広いワイン産地である。
北部と南部では生産させるワインの個性は大きく異なる。北部ローヌでは赤はシラー、白はヴィオニエ種のブドウを主体として造られ、南部ローヌでは多品種をブレンドして造られるワインが多い。南部の栽培面積が圧倒的に多いため、ローヌワインのほとんどが南部の特徴を持ったワインといえる。

2005 Mas de Libian Cotes du Rhone "Bout d'Zan"

ローヌ地方で生産されるワインの80%はAOCコート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)である。コート・デュ・ローヌという表記はローヌ川沿岸という意味のフランス語で、この表記のAOCはローヌ河岸に沿って南北に200キロ程続く地域総てに適用される、地方名の広域AOCである。指定地区であればどこでもこのAOCを使えるため、村名AOCの規定に達しないものはこの広域AOCで出荷されている。市場に出るもののAOCコート・デュ・ローヌのほとんどがローヌ下流地域の南部のもので、80%を占める。
代表的なAOC地区は、北部ではコート・ロティコンドリューシャトー・グリエ、サン・ジョセフ、コルナスサン・ペレイ、クレット・ド・ディ、クローズ・エルミタージュなどがある。南部では北部より広大な畑が広がり、シャトー・ヌフ・デュ・パプ、ジゴンダスヴァケイラスタヴェルリラックといった個性的なAOCがあるほか、広域AOCコート・デュ・ローヌのワインが多く造られている。

Domaine Pierre Usseglio, Chateauneuf-du-Pape, Rhone Valley, France 2005

北部ローヌのブドウ畑はローヌ河岸の急斜面にあり、東西の広がりはない。大陸性の気候の影響を受け、夏は暑く冬は寒い。昼夜の寒暖差も激しいのが特徴。土壌や花崗岩質の丘や沖積土の丘などに畑が点在しており、急斜面の段々畑であるため機械化は難しく人力によるブドウ栽培が行われている。一般的に単一の品種のブドウを使い、味と渋みのバランスがよい個性的で上質なワインが少量産出される。南部ローヌのワインはブレンドが主で、価格も品質も親しみやすく、色や芳香が濃い健康的な赤ワインが多く産出されている。畑は比較的なだらかな大地に広がっており、土壌は様々で一様ではない。地中海性の気候の影響を受け、夏は暑く基本的に乾燥していて雨は不規則で激しい雷雨になることも多いが、冬は一定の降雨量がある。

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一押しのワイナリー/当たり年

コート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、グザヴィエ(Xavier)、ジャック・レイノー、ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス(Domaine de la Janasse)、シャトー・ボーカステル(Coudoulet de Beaucastel)、ドメーヌ・ペゴー(Domaine du Pegau)、クロ・デュ・カイユ(Clos du Caillou)、ドメーヌ・ポール・オタール(Domaine Paul Autard)、シャトー・ド・サン・コム(Chateau de Saint Cosme)、ギガル(Guigal)、シャプティエ(Chapoutier)、ポール・ジャブレ・エネ(Paul Jaboulet Aine)、ドゥラス・フレール(Delas Freres)、フランソワ・ヴィラール(Francois Villard)、ピエール・ガイアール(Pierre Gaillard)、アンドレ・ペレ(Andre Perret)、ルネ・ロスタン(Rene Rostaing)、アンリ・ボノー(Henri Bonneau)、シャトー・ジゴニャン(Chateau Gigognan)、ドメーヌ・デュ・ペゴー(Domaine du Pegau)、ジャン・ルイ・シャーヴ(Jean Louis Chave)、アラン・グライヨ(Alain Graillot)などが挙げられ、地域ごとに個性を持った素晴らしい醸造家が多い。

Coudoulet de Beaucastel Cotes du Rhone 07'

ローヌのワインは2010年、2009年、2007年、2006年、2005年、2004年、2003年、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1995年、1990年の出来が良いと評価される。比較的安価なテーブルワインから、数万円の高級ワインまで幅広い価格・値段で販売されている。

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