コート・ロティの気候・風土
コート・ロティ(Cote-Rotie)は、フランス南部にあるワインの広域生産地帯、コート・デュ・ローヌ地方の中でも最北端にある。位置はリヨンのすぐ南で、ローヌ川に面している。
コート・ロティとは、「火あぶりの斜面」という意味。その名のとおり、温暖な大陸気候の中、東南~南を向いた急斜面の段々畑が広がり、そこでワイン用のブドウが生産されている。土壌は花崗岩や片岩からなり、水ハケがよく、優れたブドウが育ちやすい。その反面、機械などを使った大規模な生産には適さない。従って、今も手作業でブドウを栽培している。
一級畑が9カ所、二級畑が6カ所あり、その中でもコート・ブロンド、コート・ブリューヌという2つの畑が有名。
コート・ロティのワインの特徴
コート・ロティのワインは、主に赤ブドウ品種のシラーと、白ブドウ品種のヴィオニエで作られている。この2品種のうち、シラーをメインに製造されており、ヴィオニエの比率は20%以内と定められている。しかし最近では、ヴィオニエをあまりブレンドせず5%程度にとどめ、ほとんどシラーだけで作られているワインが多い。
タンニンが多く含まれ、味わいは力強くて濃厚。色濃く、香りも力強いため、男性的なワインだと表現される。色味は黒く見えるほど深い赤色で、スパイシーな香りが特徴。若いワインは飲みづらくもあるが、長期熟成することでタンニンがまろやかになって飲みやすくなり、余韻漂う味わいに変化していく。
一押しのワイナリー/当たり年
コート・ロティ(Cote-Rotie)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、ルネ・ロスタン(Rene Rostaing)、ドゥラス(Delas)、ギガル(Guigal)、キュヴェ・ベル・エレーヌ(Cuvee La Belle-Helene)、タルデュー・ローラン(Tardieu Laurent)、ニコラ・ペラン(Nicolas Perrin)、シャプティエ(Chapoutier)、ドメーヌ・マチルド・エ・イヴ・ガングロフ(Domaine Mathilde et Yves Gangloff)、ポール・ジャブレ・エネ(Paul Jaboulet Aine)、サンコム(Saint Cosme)、ロマン・デュヴェルネイ(Romain Duvernay)、シリル・アロンゾ(Cyril Alonso)、ピエール・ガイヤール(Pierre Gaillard)、ジャメ(Jamet)、ジル・バージュ(Gilles Barge)、ミシェル・オジェ(Michel Orier)などが挙げられる。
ローヌのワインは2010年、2009年、2007年、2006年、2005年、2004年、2003年、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1995年、1990年の出来が良いと評価される。コート・ロティのワインは4000円台から数万円までの幅広い価格にて販売されている。ワイン評論家ロバート・パーカー氏が高評価した醸造家のものは、高い値段がつくものが多い。
エピソード
コート・ロティはローマ時代、ローマ人によって作られたワイン畑だと言われ、フランスでも最も古い畑の1つ。シラーはローマ人によってシラクサ経由でこの地に持ち込まれ、ワインの原料として使われている。
コート・ロティの代表的なワイン
コート・ロティ レ・ザンブリュン / ミシェル・オジェ
コート・ロティ キュベ・ベレーヌ / オジェ
コート・ロティ / パトリック・ジャスマン
コート・ロティ ラ・セレン・ノワール / ガングロフ
コート・ロティ ラ・バルバリン / ガングロフ
コート・ロティ レ・ロシャン / ボンヌフォン
コート・ロティ ラ・ランドンヌ / ルネ・ロスタン
コート・ロティ ラ・ランドンヌ / ルネ・ロスタン
コート・ロティ / ベルナール・ブールゴー
コート・ロティ シャンパン ル・セニエール / ゲラン
サン・ジョセフ 730ニュイ / アラン・パレ
コート・ロティ コードルー/ベネティエール