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グリニャン・レ・ザデマール(コート・デュ・トリカスタン)の気候・風土
グリニャン・レ・ザデマールは、フランス南部・ドローム県にあるAOCワインの生産地だ。ぶどう畑の総面積は約1630ha。ローヌ川東岸の大地に広がる。この地域にある21の村でつくるワインに「グリニャン・レ・ザデマール」を名乗ることが許されている。
これら21村はローヌ地方南部にあるとはいえ、その中では最北端に位置し、冬と夏の寒暖差が激しい大陸性の気候。一方、ローヌ地方南部の他地域は1年中温暖な地中海性気候のところが多い。グリニャン・レ・ザデマール21村の気候はどちらかというとローヌ地方北部の気候に近いといえる。
グリニャン・レ・ザデマール(コート・デュ・トリカスタン)のワインの特徴
グリニャン・レ・ザデマールでは、赤・白・ロゼの3種類のワインが生産されている。とはいえ、赤の生産量が他の2つと比べ圧倒的に多く、全体の生産量の約9割を占める。
ワインに使用されるぶどうの品種は、グルナッシュ、シラーを筆頭に、サンソー、カリニャン、ムールヴェードルなど9種類に及ぶ。
同地で生産されるワインの多くは、カジュアルさを売りにしている。この地で生産されるワインは熟成に適さないため、新しいうちに飲まれるようにつくられている。
酸味は少し強めだが、口当たりはまろやか。果実の爽やかな味わいが舌に残る。バランスのいいワインと評されることが多い。
ワイン特有の渋みを好む人には物足りないかもしれない。しかし、ワイン初心者やワインを軽く楽しみたい人にとっては、敷居が低く、飲みやすいワインだ。
また、AOCワインの中では値段が安いワインが多いので、懐にも優しい。
エピソード
2010年まで、グリニャン・レ・ザデマールは「コート・デュ・トリカスタン」と呼ばれていた。地名が変更された理由は、2008年のトリカスタン原発事故により風評被害が広がったためだ。
1870年代にも、同地のワインづくりは大きな危機に直面している。この時期にアメリカから持ち込まれたぶどうの樹に付着していたフィロキセラ(=ブドウネアブラムシ)による害虫被害だ。同地のみならず、フランス全土のぶどう畑が壊滅的な被害を受けた。
これにより、グリニャン・レ・ザデマールのワインづくりは1度途絶えてしまう。再びワインがつくられるようになるのは1950年代になってからだ。そこから復興し、AOCワインとしてフランス政府に認定されたのが1973年のことだった。
グリニャン・レ・ザデマール(コート・デュ・トリカスタン)の代表的なワイン
シャトー・ビザール / グリニャン・レ・ザデマール・ルージュ・キュヴェ・セッラ・ド・クレン
シャトー・ビザール / グリニャン・レ・ザデマール・ルージュ・キュヴェ・グランジェット
M・シャプティエ ラ・シボワーズ・ブラン グリニャン・レ・ザデマール