ヴァントゥーの気候・風土
ヴァントゥーはフランス南部、ローヌ地方のAOCだ。1973年AOC認定。以前はコート・デュ・ヴァントゥーというAOC名だったが、2008年11月に現名称に改正された。
ぶどう畑はモン・ヴァントゥー山の裾野、西側や南側の斜面に広がる。かつて教皇庁があったアヴィニョンからは北東に約40kmの位置となる。
土壌は粘土状の石灰岩。ミストラルと呼ばれる強い北風をはじめとして、季節風の影響を受ける。ぶどう畑の標高は400m程度。気候区分的には地中海性気候に属するが、平野部にあるぶどう畑よりはいくぶん冷涼となる。
ヴァントゥーのワインの特徴
赤、白、ロゼワインを生産しているが、最も多いのは赤ワインで、生産量全体の80%近くを占める。
“Raisin AOC Ventoux” by V?ronique PAGNIER – Own work. Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons.
赤ワインはグルナッシュ種をメインとし、シラー種とムールヴェードル種などが混醸に用いられる。他に、サンソー種やカリニャン種が少量混醸されることもある。
小さな花、胡麻、トーストのアロマに、凝縮された果実味と酸味が調和した味わいとなる。
総じて軽く飲みやすいタイプのワインが多いが、ドメーヌによっては深みのあるワインを生み出すところもある。ドメーヌ・ペランによるペラン・エ・フィスは特によく知られる。
白はクレレット種、グルナッシュ・ブラン種、ルーサンヌ種、ピクプール種などの混醸による。あまり生産量は多くないが、こちらも果実の風味が活きたフレッシュなワインとなる。
エピソード
「プロヴァンスの巨人」とも形容されるモン・ヴァントゥーは標高1912m。風を意味するフランス語ventを含む通り、山肌にはミストラルが強く吹きぬけ、この地独特のテロワール(生育環境)の形成に大きな役割を果たしている。国際的な自転車レース、ツール・ド・フランスのコースが、山の北側を縫うように走ることでも知られる。
??P1000549 (2)?? par Vi..Cult… ? Travail personnel. Sous licence CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
ヴァントゥーの代表的なワイン
シャトー・ペスキエ コート・デュ・ヴァントゥー カンテサンス
シャトー・ペスキエ コート・デュ・ヴァントゥー キュヴェ・テラッセ
ペラン・エ・フィス コート・デュ・ヴァントゥー ラ・ヴィエイユ・フェルム