ラストーの気候・風土
ラストーはローヌ南部、ウヴェーズ川とエーゲ川に周囲を囲まれた場所に位置している。
ぶどう畑は斜面に南向きに作られ、フランス南東部に吹く地方風・ミストラルの影響を受けることなく太陽光をしっかりと浴びながら育つ。
敷地面積はおよそ800ha。3つの村にまたがっている。その土壌は、薄い茶色の石灰質と、赤みを帯びた砂岩。その上にぶどう畑が広がっている。
主に栽培されているぶどう品種は、グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブラン。添加剤・殺虫剤などの化学物質を一切使用しない栽培方法を長年にわたって継続している。
ラストーのワインの特徴
ラストーは2010年に赤ワインでAOCを取得。ただ、実はVDN(ヴァン・ドゥ・ナチュレル)というアルコール度数の高いワインでは、それ以前の1944年からAOCとして認められている。
VDNはワインが発酵する途中、ブランデーを加えることでワインの発酵を止める製法。ワイン本来の糖分と酸味にブランデーをブレンドすることで、より自然な甘みを生み出している。VDNの発酵期間は約2年だが10年以上にわたって長期発酵することもある。
VDNには赤・白・ロゼがある。すべてのワインがグルナッシュ種100%で作られるが、同じグルナッシュであっても、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・ブランという3品種をブレンドして作り出す。
深い甘みが特徴的だが、後口はすっきりしている。チーズと合わせて食後に楽しむのがおすすめだ。
赤ワインはグルナッシュ50%、シラー、ムールヴェードルをブレンドして作られ、ぶどうの力強さの中にほのかな甘みが広がる。酸味は控えめだが、果実の豊かな味わいを堪能できるワインだ。
エピソード
ラストー以外にもVDNをつくる産地は数多く存在する。
南部ローヌでは、ミュスカ・ボーム・ド・ヴニーズが有名だ。
ちなみに、VDNの「ヴァン・ドゥ・ナチュレル」には、「ナチュレル(Naturel)=自然な」「ドゥ(Doux)=甘み」を残した「ヴァン(Vin)=ワイン」という意味がある。
ラストーの代表的なワイン
ラストー ヴィエイユ・ヴィーニュ
ラストー ドメーヌ・ラ・スマド コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ