ヴァケイラスの気候・風土
ヴァケイラスはフランス南部、ローヌ地方に位置するAOCだ。かつてコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのAOC認定を受けていたが、1990年に単独AOCへ昇格した。
西側にはシャトーヌフ・デュ・パフAOC、5kmほど北にはジゴンダスAOCがある。
ウヴェーズ川近辺、中世の面影を残す2つの村にまたがる。気候は地中海性気候となり、暑い夏に比例してぶどうの成育期間は長くなる。
ぶどう畑の標高は100~400m。良質のぶどう畑は平野部に集中している。この地域の乾燥した石灰質土壌はガリッグと呼ばれる。その他、砂質や丸石質などがパッチワーク状に混じった、複雑なテロワール(生育環境)を形成している。栽培量は1300haほど。
ヴァケイラスのワインの特徴
ほとんどがグルナッシュ種主体で作られる赤ワインとなる。
辛口のフルボディで、ハーブ、スミレ、ブラックチェリーのアロマに、引き締まったコクとさっぱりした口当たりをもつ。
使用品種はグルナッシュ種をメインとし、シラー種、ムールヴェードル種が混醸に用いられる。
25のドメーヌがある。なかでもドメーヌ・デ・ラ・モナルディエール、ドメーヌ・サン・デ・カイユーなどが有力ドメーヌとして知られる。
エピソード
ヴァケイラスからわずか5キロの距離にあるジゴンダスとは、テロワールにおいて共通する点が多く、比較対象となることが多い。
両地域の違いは、グルナッシュ種の混醸割合にある。グルナッシュ種について、ジゴンダスは最大80%まで含まれるのに対し、ヴァケイラスは50%までとなる。そのため、グルナッシュ種の割合が多いワインと比べ、いくぶん穏やかな味わいとなる。
また、ジゴンダスのぶどう畑が、南東にあるモンミラール山の斜面に位置するのに対し、ヴァケイラスのぶどう畑は平野部に多いということも、もうひとつの特徴だ。
“La Ligi?re Vacqueyras rouge AOC” by JPS68 – Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
ヴァケイラスの代表的なワイン
ドメーヌ・デ・ラ・モナルディエール ヴァケイラス レゼルヴ レ・ドゥ・モナルデ
ヴァケイラス ヴィエイヌ・ヴィーニュ ドメーヌ・デ・ラ・モナルディエール
ヴァケイラス・ブラン ドメーヌ・サン・デ・カイユー