ヴァンソーブルの気候・風土
ヴァンソーブルは南ローヌ地方の最北にあるぶどうワインの産地。地中海性気候で温暖な南ローヌ地方の中でも、標高の高い山岳地帯でぶどうを栽培しているところに特徴がある。アルプスからは冷たい風が吹き込み、夏は暑く湿度が高く、冬は厳しい寒さに襲われる。
ヴァンソーブルがAOCに認められたのは2006年と比較的最近のこと。歴史の浅い畑で、もともとはオリーブのみを栽培していた。ところが、1956年に霜枯れが原因となり、オリーブが全滅。これをきっかけにぶどう栽培に着手することになった。
土壌の表面は砂利が多く、地中は粘土状の性質を持つ。
厳しい環境に耐えるぶどうはみずみずしく引き締まった仕上がりとなる。ヴァンソーブルのワインはグルナッシュ50%以上、シラーとムールヴェードルとで25%以上のブレンドが義務付けられている。
ヴァンソーブルのワインの特徴
ローヌ南部では赤ワインだけを生産する唯一の地域。まずはタンクで28日間醗酵させ、その後、15カ月間にわたってタンク内で熟成させる。すべて手作業のクラシックな製法で作り出される。
伝統的技法で熟成される赤ワインは、パワフルでスパイシーな辛口。長期熟成にも耐えるぶどうは弾力性があり、力強いのが特徴だ。ミントのような香りとともにフルーティーな甘みが広がる。酸味が少ないことによりフレッシュな余韻を楽しめる。
そのような濃厚な味わいでありながら、カジュアルに飲めるワインとして高い評価を受けている。
“AOC Vinsobres rouge diamant noir” by JPS68 – Own work. Licensed under CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons.
エピソード
山岳地帯に位置することから、1年中、冷たい風にさらされる。ところが、そんな過酷な環境が幸いして、ぶどうは病害から守られることになる。
ヴァンソーブルで育つぶどうは、濃度が高いだけではなく、酸味を吸収していると評判。しっかりした味のワインを生み出すことができる。
ヴァンソーブルの代表的なワイン
ヴァンソーブル シャトー・ド・ルアンヌ
ヴァンソーブル ドメーヌ・グラムノン
ドメーヌ・ペラン・ヴァンソーブル・レ・コルニュ