ベレの気候・風土
ベレは、フランス南東部の地中海沿岸にあるプロヴァンス地方に位置する。ベレのぶどう畑は、ニースの西側に広がる標高200~300mの丘陵地帯にある。
ベレは、プロヴァンス地方の他のぶどう栽培地同じく、日照時間の長い地中海性気候。ぶどうの栽培に適している。
土壌は、ケイ素と石灰質が混じり合った礫岩となっている。
By Magnetto – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15821604
ベレのワインの特徴
プロヴァンス地方全体ではロゼワインが生産量の多くを占めているが、ベレでは赤、白、ロゼワインがほぼ同じ割合でつくられている。また、プロヴァンス地方のワインは、一般的に日常消費用のものが多いが、ベレのワインは高品質であり、また、個性的でもある。
白ワインには、ピニュロルやマヨルカン、ロル、シャルドネといった品種が、赤やロゼワインには、フュエラやブラケ、サンソー、グルナッシュといった品種が使用されている。
白ワインは、豊かな香りを持ち、フルーティーで繊細。赤ワインは、ベリーやチェリーの香りを持ち、重厚、熟成タイプのものが多い。ロゼワインは、チェリーやフランボワーズの香りを楽しめる。
By MargueriteMagnetto – Own work, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=13552466
エピソード
ベレでは、ギリシャ軍によってオリーブとともにワインがもたらされて以来、2000年以上ワインづくりを行っている。19世紀初めにはワイン産地として非常に栄えていた。A.O.C.に認定されたのも1941年と、非常に古い。
しかし、傾斜が激しく、起伏に富んだ丘陵地帯でぶどうが栽培されているため、機械で作業することができない。そのため、ぶどうの栽培はすべて手作業で行われており、ワインを生産しているドメーヌは、現在15カ所しかない。
ぶどう栽培面積は50haと非常に少なく、年間8万本ほどしか生産されないため、希少ワインとなっている。そのほとんどは、ニースで消費されてしまうため、フランス国内でさえも入手するのは、非常に困難な状況となっている。
ベレの代表的なワイン
バロン・ジスランルージュ/シャトー・ド・ベレ
ジスラン・ド・シャルナセ/シャトー・ド・ベレ
ベレ・ル・クロ・ロゼ/クロ・サン・ヴァン・サン