ミュスカ・ド・ミルヴァルの気候・風土
ミュスカ・ド・ミルヴァルは、フランス南部ラングドック地方のワイン生産地。モンペリエの町の南に位置し、地中海に沿ってぶどう畑が広がっている。ぶどう畑の面積は288ha。
気候は地中海性気候で、年中通して温暖で雨が少ない。土壌はジュラ紀や白亜紀の古い石灰質だ。
“Mireval, H?rault 02” by Christian Ferrer. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
ミュスカ・ド・ミルヴァルのワインの特徴
ミュスカ・ド・ミルヴァルでは、天然甘口白ワインであるヴァン・ド・ナチュレ(VDN)の生産が盛ん。ミュスカ・ド・フロティニアンやミュスカ・ド・リュネルなど、近隣の4つの地区はいずれもVDNの産地としてよく知られている。
これらの生産地の名前に共通している「ミュスカ」とはフランス語で白ぶどうのこと。その名のとおり、VDNは白ぶどうを用いて生産される。中でも上質の白ぶどうは「ミュスカ・ド・プティ・グラン」と呼ばれる。小粒ながら、濃厚な果汁が採れることからワイン生産に適している。
この地を代表するワイン銘柄としては「カーヴ・ド・ラブレー」がある。印象的なテントウムシの図案を用いたラベルで、甘口VDNのミュスカ・ド・ミルヴァルのほかに辛口のセックなどもつくっている。
ミュスカ・ド・ミルヴァルは、シトラスやピーチ、オレンジなどを思わせる柑橘系のアロマに、トロピカルな味わいが特徴。一方のセックは、バナナ・ライチなどを思わせるアロマに、辛口ながらすっきりとした飲みやすさだ。
“VDN Muscat de Mireval” by JPS68 – Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
エピソード
ルネサンスを代表する作家として有名なフランソワ・ラブレーはミュスカ・ド・ミルヴァルを絶賛していた。著書の中でもミュスカ・ド・ミルヴァルを取り上げて紹介している。「カーヴ・ド・ラブレー」とは、彼の名前にちなんで名付けられたものだ。
ミュスカ・ド・ミルヴァルの代表的なワイン
カーヴ・ド・ラブレー ミュスカ・ド・ミルヴァル / ドメーヌ・カザリス
カーヴ・ド・ラブレー セック / ドメーヌ・カザリス
ミュスカ・ド・ミルヴァル N.V. / ムーラン・ド・ガサック