フロントン

フロントンワインの特徴とは

   

フロントンの気候・風土

フランス南西部、スペインに近い町トゥールーズの北20kmほどに位置するフロントンは、ガロンヌとタルヌという2つの川に挟まれた台地となっている。20の村からなるAOCだ。
雨と日照時間が少なめの気候で、土壌は砂が多く夏は暑く乾燥している。ぶどう栽培の歴史は古く、「トゥールーズのワイン」として知られている。
1975年に「コート・デュ・フロントネ」としてAOCに昇格したが、2005年になって「フロントン」と改められた。コート・デュ・フロントネと表記した後にフロントン、と追記するACもこの時に統合された。

Vignoble de Fronton

フロントンのワインの特徴

フロントンワインの最大の特徴は、この地域特有の品種であるネグレットを使っていることだろう。「マヴロ」というギリシア語で「黒」を意味する品種がもたらされ、この地域で定着した後に「ネグレット」と改名された。フロントンにはこのネグレットを50~70%の割合で使用することが義務付けられている。そうしてつくられるワインは、フルーティーでスパイシーな力強さがあり、大変個性的な味わいである。

Visuel bouteille La Foret Royale

他にはカベルネ・ソーヴィニヨンガメシラーといった品種がブレンドされる。生産されるワインのほとんどが赤だが、一部でロゼも生産されている。

AOC Fronton rouge 2011

エピソード

この地域特有の品種であるネグレットは12世紀ごろ、十字軍の遠征から帰る途中でキプロスに立ち寄ったマルタ騎士団が、マヴロという品種を持ち帰り定着させたものである。
完熟したマヴロからつくられるキプロスワインは、干し葡萄を思わせる濃厚で甘口なワイン。その香りと味わいに魅せられた当時の武将アントニウスがクレオパトラを口説く際に使ったといわれている。
マヴロは湿気を嫌う品種のため、雨が少なく砂利質の土壌を持つフロントンの気候に大変よくマッチしている。

フロントンの代表的なワイン

カーヴ・ド・フロントン オー・キャピトル
アルボー ヴィロードリック
シャトー・クーティネル フロントン
シャトー・ラ・クーテリエール

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