マルシャックの気候・風土
マルシャックは、フランス南西部の中で北東に位置する。トゥールーズから自動車で3時間前後走った先にあるワイン産地で、山に囲まれた盆地状になっている土地だ。近くには、世界一高い橋として有名なミヨー高架橋などの観光スポットが点在する。
大陸性気候・地中海気候・海洋性気候の影響を受け、夏は乾燥しやすく春は雨が降りやすい。ぶどう栽培には適した気候条件で、ぶどうを栽培している標高400mほどの高台は常に風が吹いて通気性にも優れている。
そのように年間総雨量が少なく温暖な気候になっているため、土壌は乾燥した石灰岩質。この乾燥した土壌が適度な温度を保ち、身の引き締まったぶどうを育ててくれる。多くは石灰岩質の土壌だが、ごく限られた範囲にルージェと呼ばれる鉄分を多く含んだ赤い粘土状の土壌が見られる。
急斜面に畑が作られているため、機械の導入は不可。畑仕事はすべて手作業で進められる。
栽培品種はフェール・サルヴァードルが全体の90%以上を占める。フェール・サルヴァードルは別名「マンソワ」といい熟成型の品種だ。カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランも使用品種に指定されるが、ブレンドされることはほとんどない。
マルシャックのワインの特徴
マルシャックのワインは、AOC認定を1990年に受けた。
赤ワインは個性が際立つアロマと、すっきりとしたアタックが魅力。繊細さとコクが力強く感じられる輪郭のはっきりした味わいになっている。優雅で上品なカシスのような甘みとスパイシーさが含まれ、余韻も楽しめる。色は濃厚なバイオレットが特徴だ。
ステーキ、スパイシー料理との相性が絶妙なワインだ。
エピソード
マルシャックのぶどう畑が広がるアヴェイロン地方は、ワイン生産以外にロックフォールと呼ばれるブルーチーズの山地として有名である。
ロックフォールは、フランス最古のチーズと言われるほど長い歴史を持つ。洞窟内にある熟成庫を利用した伝統的技法が世界的に有名で、3カ月以上熟成させるように定められている。
マルシャックの代表的なワイン
ドメーヌ・ローラン マルシャック
ドメーヌ・デュ・クロ マルシャック