モンラヴェルの気候・風土
モンラヴェルはフランス南西部・ベルジュラック地方の中でも西側に位置し、ドルドーニュ川下流にぶどう畑が広がっている。
ボルドーにあるAOCのコート・ド・カスティヨンの東側にあり、ボルドーに近い味わいを生み出す産地として知られている。
モンラヴェルの土壌は、石灰質砂岩により形成されている。この土壌で育ったぶどうは、みずみずしい辛口のワインを生み出してくれる。
栽培面積は白ワイン用の品種が1500haで、赤ワイン用が1700 ha。
こうした畑が15の村に広がり、そのうち9の村はAOC「コート・ド・モンラヴェル」、5の村はAOC「オー・モンラヴェル」と称することが可能。広域をカバーするAOC「ベルジュラック」を名乗ることも認められている中、現在は380haの畑がAOC「モンラヴェル」を名乗っている。
モンラヴェルのワインの特徴
モンラヴェルでは、赤・白ワインの生産が認められている。ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデルといったぶどう品種をブレンドしてつくられる白ワインは辛口な味わい。赤ワインはメルロー主体で作られ、フルボディな味わいが特徴となっている。生産量は白ワインが全体の90%前後、赤ワインは10%前後だ。
白ワインは柑橘系の豊かなアロマと爽やかな酸味が広がるライトな仕上がり。ミネラルと酸味が合わさり、生き生きとしたぶどう本来のうま味を感じる。若飲みタイプの辛口が主流だが、熟成されると風味が際立ち、まろやかになる。
白ワインとは異なり、赤ワインは芳醇でリッチな味わい。複雑で繊細な香りと力強いボディが絶妙なバランスだ。
モンラヴェルは、温度を計測・調整しながらワインを発酵させるなど、現代的な醸造方法(マセラシオン・デブルバージュ)を導入。収穫したブドウを加熱してから1年間熟成させ、辛口から半甘口までを生産している。
エピソード
モンラヴェル周辺は、甘口白ワインを生産するAOCが数多く点在する。甘口・辛口の見分けを付けるため、ラベルに味わいを表記していることが多い。辛い方から順に「Extra Brut(エクストラ・ブリュット)」(極めて辛口)、「Brut(ブリュット)」(非常に辛口)、「Extra Dry(エクストラ・ドライ)」(辛口)、「Sec(セック)」(中辛口)、「Demi-Sec(ドゥミ・セック)」(中甘口)、「Doux(ドゥー)」(甘口)となっている。
モンラヴェルの代表的なワイン
シャトー・ル・ラズ モンラヴェル・ブラン・セック
モンラヴェル・ブラン・セック