ロゼット

ロゼットワインの特徴とは

   

ロゼットの気候・風土

ロゼットは、フランス南西地方のワイン生産地だ。ベルジュラックの町の北西、ドルドーニュ川の北岸に位置する。東には赤ワインAOC、ペシャルマンがある。

気候分類的には海洋性気候に属するが、内陸部にあることから大陸性気候の影響を受けるため夏季と冬季の気温差が激しい。

土壌は粘土質、砂質で保水性に優れている。春先の冷涼な気候もあいまって、ぶどうの発芽は他地域と比べて遅い。

栽培されるぶどうは白ぶどうのみで、セミヨンソーヴィニヨン・ブランなどとなる。

ロゼットのワインの特徴

半甘口の白ワインの産地として知られる。原料となるのはセミヨンやソーヴィニヨン・ブランだが、中でもセミヨンの割合が多い。

透き通った黄色のエレガントなワインとなる。しかし、畑の面積がそれほど大きくない(面積にして20ha程度)こともあり、あまり生産量は多くない。

半甘口のワインは、ぶどうに貴腐菌(ボトリティス・シネレア)を付着させ、過熟させることで糖度を高められる。こうしたワインは「貴腐ワイン」といわれる。

ロゼット以外の代表的な貴腐ワインとしては、フランスではソーテルヌ地方のシャトー・ディケム、ドイツ・ライン地方のトロッケン・ベーレンアウスレーゼ、ハンガリー・トカイ地方のエッセンシアがある。これらは「世界三大貴腐ワイン」と呼ばれる。

エピソード

1880年代にフランス全土を襲った害虫フィロキセラにより、南西地方のみならずフランス各地のワイン生産地は大打撃を受けた。こうした虫害から立ち直り、1946年にはロゼットAOCとして認可された。

しかし、近年はボルドースタイルなどワインのトレンド変化に押され、ロゼットワインの生産量は減少傾向にある。有力な生産者もいないのが現状だ。海外に輸入されているワインもあまり多くない。

ロゼットの代表的なワイン

Domaine de Coutancie rosette
Chateau La Renaudie Rosette

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitter で