マルクグレーフラーラントの気候・風土
マルクグレーフラーラントは、ドイツ南部にあるバーデンのワイン生産地だ。フライブルクより南のライン川西岸、スイス国境近くの町レラハやバーゼルまでの地域が該当する。
この地でのワインづくりは昔から行われており、最も古い記録では西暦773年のものがある。
土壌は砂質や泥炭質で、土中に石灰を多く含む。石灰に含まれる滋養分は、ぶどうの味わいについて重要な役割を果たす。
栽培されるぶどうは、土着品種のグートエーデルが多い。同種のぶどうはフランスではシャスラ(Chasselas)と呼ばれる。その他にはシャルドネ種やグラウブルグンダー種などが栽培されているが、ほとんどが白ぶどうとなっている。
マルクグレーフラーラントのワインの特徴
マルクグレーフラーラントでつくられるワインは、グートエーデル種やシャルドネ種、グラウブルグンダー種などからつくられる白ワインが大半を占める。割合的には辛口(トロッケン)が多い。
グートエーデル種は熟するまでが早く、その分つくられたワインは酸味が少なくなるのが特徴だ。
赤ワインの種類は少ないが、シュペートブルグンダー種によるものがある。
また、マルクグレーフラーラントではブリッツィンガー(ブリッツィンゲン協同組合醸造所)で多くのワインがつくられている。その他の醸造所では、1600年からその歴史を有するブランケンホーンがある。
エピソード
グートエーデルはたいへん古い歴史をもつ品種で、その歴史は5000年を数えるともいわれる。その原産はナイル川沿岸とされ、伝承によると紀元前1200年ごろ、フェニキア人の手によってローマやギリシャに伝播したとされる。
ドイツに広まったのは17世紀ごろという記録があり、現在ではマルクグレーフラーラントで栽培されるぶどうの4割程度がグートエーデルとなっている。
また、この地域にあり保養地として有名なバーデンヴァイラーと日本の福島・いわき市は同じ温泉街として共通点を持つため交流がある。
マルクグレーフラーラントの代表的なワイン
ローゼンベルク・グートエーデル / ブリッツィンガー
グラウブルグンダー デー・クー トロッケン / ブリッツィンガー
シャルドネ デー・クー トロッケン / ブリッツィンガー
グートエーデル・カビネット・トロッケン / バーデンヴァイラー・レーマーベルク