コッハー・ヤークスト・タウバーの気候・風土
コッハー・ヤークスト・タウバーはドイツ南西部、ヴュルテンベルクにあるベライヒ(ワイン生産地区)の1つだ。「黒い森」で知られるシュヴァルツヴァルトの北、ネッカー川の支流コッハー川とヤークト川流域に展開する。ぶどう畑は渓谷沿いの急斜面にあるが、これはドイツのぶどう畑に共通する特徴といえる。
代表的な都市にフェレンベルクがある。気候分類は西岸海洋性気候に属し、偏西風の影響を受けるため比較的温暖で、夏もそれほど高温にはならない。年間降雨量は650mm程度。
栽培されるぶどうはリースリングやシュペートブルグンダーに加え、固有品種のトロリンガー、レンベルガーがある。こうした固有品種のワインは比較的早い段階から飲めるため、若飲みタイプの製造に適している。また、ドイツで交配された品種、ドルンフェルダーも栽培されている。
コッハー・ヤークスト・タウバーのワインの特徴
トロリンガー、レンベルガーによる赤ワインがメインとなる。ヴュルテンベルクで生産されるワインのうち、80%が赤ワインとなる。
また、ヴュルテンベルクでは赤・白のぶどうを混醸したロートリンクが作られるのが特徴。なかでも高級なロートリンクはシラーヴァインと呼ばれ、この名は著名な詩人シラーの名を冠したとする説もある。コッハー・ヤークスト・タウバーの有力な醸造家としては、フェレンベルクのホーエンローエ・エーリンゲンが挙げられる。
エピソード
ワインの名前にもなったとされるシラーは、ヴュルテルベルクで生まれ育った詩人だ。ゲーテと並ぶドイツ古典主義の第一人者で、ゲーテ本人とも親交があったとされる。
代表作には、自由を求めるあまり盗賊になった貴族を描く「群盗」などがある。また、ヴェートーヴェン第九交響曲第四楽章にもシラーの詩が用いられている。
コッハー・ヤークスト・タウバーの代表的なワイン
(国内に輸入されているワインはないようです)