コントログエッラの気候・風土
コントログエッラは、イタリア中南部にあるアブルッツォ州北部に位置する小さな村。マルケ州との州境から近い、州最高峰の山塊・グラン・サッソ麓の丘陵地帯にあるワイン産地だ。
コントログエッラの村をはじめ、トラーノ・ヌオーヴォ、アンカラーノ、コツローポリ、コロネッロといった街のごく一部地域が、コントログエッラしてDOCに指定されている。
ぶどう畑は標高440mを超えない範囲の高さにあり、土壌は粘土と石灰質・砂質が混ざる。地中海性気候の穏やかな気候に、日中の気温差が大きいこと、また絶えず風が吹き抜けることなど、ぶどう栽培に適した環境が整っている。
By pizzodisevo,on/off – Flickr: Grano e vigneti, grain and vineyards, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=22525910
コントログエッラのワインの特徴
コントログエッラでは、土着品種であるモンテプルチャーノやトレッビアーノだけではなく、国際品種を含む広い範囲のぶどうを使用してワインがつくられている。
ワインに使用される品種は、白ワインにはトレッビアーノ・トスカーノ、パッセリーナ、マルヴァジーア、ヴェルデッキオ、ペコリーノ、リースリング、モスカート、シャルドネ、赤ワインにはモンテプルチァーノ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ネロ、チリエジョーロ、と多岐にわたる。
ワインのタイプも白・赤・ロゼやスプマンテ(発泡酒)と幅広い。また、辛口ワインやぶどうを陰干し糖度を高めてつくられる極甘口のパッシート、長期熟成が必要とされる上級酒のリゼルヴァなど、さまざまな場面で楽しむことができる多様な味わいのワインがつくられている。
白ワインは、濃い麦わら色に、フルーツやバニラに蜜の混じるアロマ。洗練されたまろやかな味わいで、後に長い余韻が続く。赤ワインに合わせるようなメインの料理に合うとされる。
一方赤ワインは、濃いルビー色に、スパイスのきいたベリー系の香り。しっかりとして芳醇(ほうじゅん)な味わいで余韻も長い。肉料理や熟成チーズと相性が良い。
エピソード
コントログエッラがDOCの指定を受けたのは1996年のこと。それまでの伝統の枠を越えて生み出された様々な品種を用いてつくられるワインは、目新しく注目を集めた。その優れた品質からも高い評価を受けている。
コントログエッラの代表的なワイン
コントログエッラ ビアンコ ダニエレ/イッルミナーティ
コントログエッラ リゼルヴァ ルメン/イッルミナーティ
コントログエッラ ペコリーノ/イルミナーティ
コントログエッラ ロッソ リゼルヴァ ルメン/イルミナーティ