アリアニコ・デル・ヴルトゥレの気候・風土
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(Aglianico del Vulture)は、イタリア・バジリカータ州のワイン生産地だ。イタリア半島を長靴にたとえると、バジリカータ州はちょうど土踏まずの部分に位置する。
バジリカータ州北部のヴルトゥレ山の斜面から、ポテンツァ県ヴェノーザ、花祭りで有名なジェンザーノに至るまでの地域が該当する。1971年にD.O.Cに指定されている。これはバジリカータ州では最初のD.O.C指定だ。
土壌は火山性土壌で、マグネシウムやカリウム・カルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいる。山地に近いため、緯度の割に寒暖差が大きい。ぶどう畑は標高200~700mと、他の生産地と比べ高い位置に展開されている。
栽培されるぶどうは、D.O.Cの名前にもなっているアリアニコなどが多い。
アリアニコ・デル・ヴルトゥレのワインの特徴
アリアニコ・デル・ヴルトゥレの赤ワインはアリアニコ種100%によってつくられる。
D.O.Cによる法定熟成期間は1年間だが、それよりも長い期間をかけてじっくりと樽熟成されたものも多い。アリアニコは「南のバローロ」ともいわれ賞賛される。
アロマはプラムやベリーといった果実のものに混じり、タバコ、ハーブなどの混じった芳醇なもの。果実味に深みのあるミネラルとなめらかなタンニンが感じられる。
また、発泡タイプのスプマンテもつくられている。
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一押しのワイナリー/当たり年
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(Aglianico del Vulture)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ(Feudi di San Gregorio)、ファルネーゼ(Farnese)、カンティーナ・ディオメーデ(Cantina Diomede)、レ・マンフレディ(Re Manfredi Aglianico)、テッラ・ディ・ヴルカーノ(Terra di Vulcano)、フェウド・モナチ(Feudo Monaci )、アロヴィーニ(Alovini)、カンティーナ・ディ・ヴェノーザ(Cantina di Venosa)、パテルノステル(Paternoster)、ドメーヌ・ラファージュなどが挙げられる。
南イタリアのワインは2008年、2007年、2006年、2005年、2001年、1999年、1997年の出来が良いと評価されている。アリアニコ・デル・ヴルトゥレは2000~5000円台の間、比較的手に取りやすい価格・値段のものが多い。
エピソード
ヴルトゥレとはイタリア語で「ハゲワシ、コンドル」の意味。現在は死火山だが約80万年前に噴火し、その際堆積した大量の溶岩がこの地の土壌の礎となった。
また、主な原料となるアリアニコの名前については、「ギリシャの」という意味の言葉エレニコ(Ellenico)を由来に持つ。7世紀ごろにギリシャから伝えられたとされる、たいへん古い歴史を持つ品種だ。樹齢が高いのも特徴のひとつで、なかには樹齢80年を超えるものも存在している。
アリアニコ・デル・ヴルトゥレの代表的なワイン
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ / カンティーナ・ディオメーデ
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ / ピポリ
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ / レ・フレマンディ
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ / ヴィニエティ・デル・ヴルトゥレ