カゼルタ(ファレルノ・デル・マッシコ)の気候・風土
ファレルノ・デル・マッシコがあるのはカンパーニャ州・ナポリの北に位置するカゼルタ地方。美しい自然豊かな景観が有名で、わざわざ遠くから訪れる観光客の姿も。砂質火山性の土壌で、ぶどうの栽培・収穫にはステンレスタンクのみを使用したギュイヨ式を採用している。
ギリシャとのゆかりのあるエリアで、この地でつくられるワインはローマ時代の詩人たちから「美酒」と呼ばれ、深く愛されて賞賛を集めていたほど。しかし、1800年代後半にぶどう樹の生育に深刻なダメージを与える害虫・ブドウネアブラムシが大量発生。このエリアでのぶどう栽培は壊滅状態となった。
1960年代に入り、ファレルノ・デル・マッシコの創立者・フランチェスコ・パオロ・アヴァッローネ氏が見事ぶどう栽培を成功させ、ワイン文化を復興。現在は主にアリアニコ、ピエディロッソ、ファランギーナといった品種を中心に栽培している。
カゼルタ(ファレルノ・デル・マッシコ)のワインの特徴
作り手の細やかな作業を想像させる洗練された上質なテイストが特徴的。口の中に果実の酸味が広がり、豊かなアロマを楽しめる。
ワインを口に含んだ瞬間から身体中に広がっていくような非常にスパイシーな味わいを実感するものの、バランスが取れているので上品な余韻が残る。非常に優れた南イタリアの赤ワインとして愛好者が多い。
エピソード
ファレルノ・デル・マッシコがつくられるカゼルタ地方では、長らくぶどう栽培、それに伴うワイン生産が滞っていた。見事蘇らせたフランチェスコ・パオロ・アヴァッローネ氏はナポリ大学と協力しながら復興を進め、1989年に見事DOCを獲得。復興に向けて全情熱を傾けた人物である。ワイン愛好家たちの間ではその歴史背景も含め、広く愛されている。
2009年からは「ゼロ・エミッション」を実施。ゼロ・エミッションとは、ワインづくりを通して自然界へ排出される影響をゼロにする仕組みを構築すること。太陽光発電や潅水再利用といった試みを積極的に採り入れている。
カゼルタ(ファレルノ・デル・マッシコ)の代表的なワイン
ヴィラ マチルデ/ロッカ ディ レオーニ アリアニコ
ヴィラ マチルデ/カマラート ファレルノ デル マッシコ
ヴィラ マチルデ/チェクボ