グレコ・ディ・トゥーフォの気候・風土
イタリア・カンパニア州中央部、アヴェリーノの北の丘陵地帯、トゥーフォと呼ばれる凝灰岩の土壌に、このグレコ・ディ・トゥーフォの材料となるグレコ種の畑が広がっている。
平地や川、山や丘陵などが入り組む複雑な地形は風通しがよく、日照量も多い。また、昼夜の寒暖差が大きいことから、ぶどうの成熟がじっくりと進む。
さらに、古くからの堆積層と、ヴェスヴィオ火山の火山灰とで構成される土壌がぶどうに豊富なミネラルを与える。
このためこの地では、ミネラルを十分に含む複雑な、かつ糖度と酸のバランスの取れた良質なぶどうが育つ。
グレコ・ディ・トゥーフォのワインの特徴
グレコ・ディ・トゥーフォは、カンパニア州で広く栽培される白ぶどう種のグレコを材料とした辛口の白ワイン。
色は淡い黄色。アプリコット、パイナップル、モモといったフルーツの香りが漂う。滑らかで心地よい酸と、豊かな果実味のバランスの取れた味が特徴で、余韻も長く続く。
またミネラルが豊富なことから、熟成に耐えるだけの力強さも備える。
一押しのワイナリー/当たり年
カンパーニャ州で作られるグレコ・ディ・トゥーフォ生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ、ヴェゼーヴォ、マストロベラルディーノ、カンティーネ・デッランジェロなどが挙げられる。中でもフェウディ・ディ・サン・グレゴリオやマストロベラルディーノの作るワインは、高級レストランのリストにも採用されるほどだ。
南イタリア産ワインの当たり年は2011年、2009年、2007年、2006年、2005年、2004年、2003年、2000年、1999年、1998年とされるが、グレコ・ディ・トゥーフォのほとんどは5年以内に飲みごろを迎える。おおむね、2500~6000円くらいの価格・値段のレンジに入るワインが多い。
エピソード
グレコ種は、ファランギーナ種とともに、カンパニア州で栽培される代表的な白ワイン用ぶどう品種。
その歴史は長く、古代ギリシャ人によって、同じくカンパニア州を代表する赤ぶどう種のアリアニコとともにイタリアにもたらさた。
この地での栽培の歴史も長く、紀元前にはすでにヴェスヴィオ山の斜面で栽培されていたとの記録も残っているほどだ。
品質も高い評価を受けており、2003年にはカンパニアの白ワインとしては初めて、イタリアにおける原産地呼称の最高位D.O.C.G.に認定されている。
このため、グレコ・ディ・トゥーフォは、グレコ種を85%以上使用してつくることが義務付けられている。
グレコ・ディ・トゥーフォの代表的なワイン
グレコ ディ トゥーフォ ヴェゼーヴォ
グレコ・ディ・トゥーフォ テッラネーラ
クティッツィ グレコ ディ トゥーフォ