ランブルスコ

ランブルスコワインの特徴とは

   

ランブルスコはエミリア・ロマーニャ州を主な生産地とするDOCワインで、微発泡の赤をメインとする。甘口から辛口までさまざまな味わいのものがあり、地元では生ハムやボロネーゼなどの肉料理に合わせて、辛口のものが多く飲まれる。

ランブルスコの気候・風土

ランブルスコはエミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州南東部で生産されるDOCワインだ。

主な生産地域はマントヴァ、モデナとレッジオ・エミーリアで、地域の半分が山岳・丘陵地帯、残りの半分が肥沃な平野だ。夏は暑く冬には寒い亜大陸性気候だが、アドリア海からの風が夏の暑さを和らげ、また冬も湿度があるため厳しさは軽減される。

ポー川流域に広がるパダノ平野で栽培されるランブルスコ種を使い、微発泡性のワインがつくられる。赤(ロッソ)が主だが、ロゼ・白(ビアンコ)も生産されている。1970年にDOCに認定され、エミリア・ロマーニャ州を代表するワインだ。

Lambrusco

ランブルスコのワインの特徴

古代ローマのころより栽培されるランブルスコ種にはさまざまな種類があり、その数は60以上を数える。

ランブルスコ種自体はエミリア・ロマーニャ州の他、ピエモンテ州やバジリカータ州などイタリアのいくつかの地方で栽培されている。

ランブルスコ種の代表的なものにランブルスコ・ディ・グラスパロッサ種、ランブルスコ・サラミーノ種、ランブルスコ・ソルバーラ種などがある。それらを使用して醸造されるワインはそれぞれ特徴が異なり、グラスパロッサはしっかりとした味わいで、ソルバーラは透明感があり繊細、サラミーノはその中間のフルーティな味わいがある。

DOCもレッジャーノ、ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ、ランブルスコ・マントヴァーノなど複数存在する。これらのDOCを名乗るには上記のランブルスコ種を85%以上使用することが義務付けられており、残りにはアンチェロッタ種が混醸されることがある。

また、多くのDOCでは赤とロゼのフリッツァンテ(微発泡)のみがDOC指定されている。白は格下のIGTとして作られているが、DOCレッジャーノではランブルスコ100%の辛口スプマンテ(微発泡ではない通常の発泡ワイン)が指定されるなど例外も見られる。

主流である赤やロゼのランブルスコは微発泡であり、味わいは甘口(ドルチェ)のデザートワインタイプから中甘口(アマービレ)、辛口(セッコ又はドライ)のものまで幅広い。

かつて甘めのものが大量にアメリカへ輸出され、1980年代に「イタリアン・コーク」あるいは「レッドコーク」の愛称で親しまれてきたが、現在地元では辛口タイプが好んで飲まれる。フレッシュな味と細かな泡でのど越しがよいのが特徴だ。

「手軽な赤いスパークリング」というイメージだが、近年の人気により生産量が増え、良質なランブルスコが圧倒的に増えてきている。

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By DocteurCosmosOwn work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5026517

エピソード

エミリア・ロマーニャはランブルスコの他、パルミジャーノ・レッジャーノチーズやパルマの生ハム、バルサミコ酢などの生産も盛んであり、イタリアを代表する美食の宝庫だ。

生ハムやサラミは各国のトップ・レストランに愛用され、またザンポーネという豚の足に詰めたソーセージや濃厚なラグーソースを使用したラザニア、ボロネーゼのタリアテッレなど、世界中に知れわたる名物料理が多い。

ランブルスコは高級ワインという位置づけではないが、口中の脂をサッパリと落としてくれるため地元料理との相性は抜群。このため、古くから地元の人に愛されて長く飲まれてきたワインだ。

現在では広く海外にも輸出され、アメリカやフランスでも大きなシェアを誇っている。近年日本でも急激に注目度が上がり、カルディやイオンなど日常的な食材店でも販売されている。今後、屋外バーベキューなどのシーンに欠かせない1本となりそうだ。

Lambrusco dell'Emilia Torre Cole

ランブルスコの代表的なワイン

クエルチオーリ レッジアーノ ランブルスコ セッコ NV メディチ エルメーテ
プレミアム ランブルスコ ヴェッキア モデナ ソルバーラ NV キアルリ
ランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロ アマービレ NV ガヴィオリ
ランブルスコ レッジャーノ セッコ スカリエッティ ボトル NV ドネリ
ランブルスコ レッジャーノ アマービレ スカリエッティ ボトル NV ドネリ

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