コッリ・ピアチェンティーニの気候・風土
コッリ・ピアチェンティーニ(Colli Piacentini)は、イタリア中央部エミリア=ロマーニャ州のワイン生産地だ。ツィアーノ・ピアチェンティーノをはじめとするピアチェンツァ県のコムーネが該当する。1984年にD.O.Cに指定された。
土壌は粘土や泥炭岩のもの。栽培されるぶどうはバルベーラ、クロアティーナ(ボナルダ)、オルトゥルーゴ、グットゥルニオ、ピノ・グリージョなど多彩だ。
この地で栽培されるマルヴァジア種はマルヴァジア・ディ・カンディア・アロマティカと呼ばれ、特に香り高いワインができるのが特徴だ。
コッリ・ピアチェンティーニのワインの特徴
この地域でつくられる有名なものに、白ワインのモンテロッソ・ヴァル・ダルダ(アルダとも)とヴァル・ヌーレがある。
モンテロッソ・ヴァル・ダルダは、原料をマルヴァジアとモスカート・ビアンコ2種から20~50%、トレッビアーノ・ロマニョーロとオルトゥルーゴ2種から20~50%とすることが定められている。透き通った黄金色に、柑橘系の中にムスクの香りが漂う個性的なアロマ。酸と果実味のバランスの取れたワインとなっている。
一方、ヴァル・ヌーレは、マルヴァジア種をベースにして、オルトゥルーゴ種やトレッビアーノ種を混醸してつくられる。近年では発泡タイプのものが好まれており、ほのかな甘さと軽やかな泡立ちを楽しめる。
その他、単一ぶどう品種によるワインも多い。
一押しのワイナリー/当たり年
コッリ・ピアチェンティーニ(Colli Piacentini)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、ラ・ストッパ(La Stoppa)、イル・ヴェイ(Il Vei)、カステッリ・デル・ドゥーカ(Castelli del Duca)などが挙げられる。
イタリア中部のワインは2008年、2007年、2006年、2005年、2001年、1999年、1997年の出来が良いと評価される。コッリ・ピアチェンティーニは1000円台から3000円台までのリーズナブルな価格・値段にて販売されている。
エピソード
かつてのD.O.Cでは、ボナルダやピノ・グリージョ単一品種のワインについても、「バルベーラ」を名乗らなければならない、という不可解な決まりがあった。しかし2010年のD.O.C改正により、これらの単一品種によるコッリ・ピアチェンティーニを名乗ることができるよう改められた。
モンテロッソ・ヴァル・ダルダや、ヴァル・ヌーレについても、かつては独立してD.O.C指定を受けていたワインが統合されたものだ。ここに、イタリアワイン法の変遷のめまぐるしさを実感することが出来る。
コッリ・ピアチェンティーニの代表的なワイン
ヴァル・ヌーレ テッラ・フィアバ / ラ・トーサ
コッリ・ピアチェンティーニ・ストッパ・カベルネ・ソーヴィニヨン / ラ・ストッパ
エミリア・ロッソ・バルベーラ / ラ・ストッパ
マストロ・ビネッリ コッリ・ピアチェンティーニ オルトゥルーゴ・フリッザンテ / カンティーネ・クアットロ・ヴァッリ
コッリ・ピアチェンティーニ・オルトゥルーゴ / イル・ヴェイ
コッリ・ピアチェンティーニ・グットゥルニオ / イル・ヴェイ
コッリ・ピアチェンティーニ・ボナルダ / イル・ヴェイ