ルガーナの気候・風土
ガルダ湖の南側からヴェネト州にまたがるルガーナ地区では、白ワインの生産が盛んだ。ロンバルディア州とヴェネト州という2つの州にまたがったDOCではあるが、生産地域は極めて狭域となっている。
ガルダ湖周辺には平野が広がり、標高も低い。ヴェネト州の中では比較的温暖な気候の恵みを受け、ぶどう栽培には最適の土地だ。ただし、温度の高低差が大きくないため、品質の良いワイン製造は難しいとされる。
ガルダ湖周辺は、太古の氷堆積土壌であるため、粘土と石が多く含まれ、フルーティーな味わいと、適度なミネラル感あるワインがつくられるのが特徴だ。ルガーナはガルダ湖周辺にあるワイン生産地域の中で、最もしっかりしたワインと言われている。
ルガーナのワインの特徴
ルガーナのワインは、白ぶどう品種であるトレッビアーノ・ディ・ルガーナを用いてつくられる。トレッビアーノ・ディ・ルガーナは、トレッビアーノ種を同地方独自に改良した品種。ルガーナワインをつくる際には、9割以上はこの品種が使用され、数年の熟成に耐えることも可能だ。
ルガーナワインには、香りは強すぎず、アルコール度は高くなるという特徴がある。色味は緑がかった麦藁色や、透明感のあるやや濃い目の黄色となっており、柑橘系の香りを帯びている。非常に優雅で個性のある辛口で、口に含むと果実味が広がり、飲み応えがある。魚介系や豚肉・鶏肉を用いた料理、パスタ等との相性が良い。
白ワインに加えて、白のスーペリオーレ、スプマンテ(発泡ワイン)もつくられている。スーペリオーレは、アルコール度数がノーマルタイプのワインに比べて少し高めで熟成期間は1年以上といった規定を満たすもの。一方のスプマンテは、シヤルマー方式とクラシコ方式の2通りの製造方法があるが、通常はシヤルマー法でつくる。
エピソード
スプマンテは1950年代にヴィスコンティ・ディ・ディゼンツァーノ氏の手によって世界的に認知されるようになった。近年においては革新的な生産者たちが、樽熟成を経たワインをつくり、同品種の地位を向上させている。
ルガーナの代表的なワイン
ルガーナ
スプマンテ<ルガーナ>
マリアピア<ルガーナ>