INDEX
オヴァーダ(ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ)の気候・風土
オヴァーダは、イタリアのピエモンテ州南東、アレッサンドリア県のワイン生産地の1つ。ドルチェット種の生産地としてはもっとも東部に位置する。
ドルチェット種の生産地の中でもD.O.C.Gに昇格しているのは限られた3つの生産地のみとなっている。そのうちの1つがドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレで、スペリオーレのみが2008年D.O.C.Gに昇格した。
砂やシルト岩を含む埴壌土(粘土が37.5~50%混じった土)のオヴァーダ丘陵に沿って、ぶどう畑が広がっている。
Par Ale Sasso — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26375013
オヴァーダ(ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ)のワインの特徴
オヴァーダでつくられるスペリオール赤ワインは、100%ドルチェット種を用いたものでなければならないと定められている。2年以上の熟成が必要なリゼルヴァタイプのワインの生産が主流だが、近年では若飲みタイプもつくられている。オーク樽による熟成を行っている生産者が多い。
生産されるワインはフルボディタイプのものが多い。スミレなどの花、チェリーを思わせるアロマに、果実の風味が豊かに香る。これはビオディナミ農法(太陰暦や占星術を基にした暦にしたがい、化学肥料や農薬を使わずに、神秘主義的な調合剤を用いて作物の栽培を行う有機農法の一種)による、自然豊かなテロワール(生育環境)ならではのものだ。口当たりは滑らかで、柔らかで適度なタンニンを持つ。
エピソード
地名にもあるスペリオーレとは、イタリアンワインにおける品質を表す言葉のひとつだ。オヴァーダ同様にバルドリーノ・スペリオーレというワインがあり、こちらもバルドリーノのみの表記よりも上質なワインだということを示している。
同じようにワインの品質を示す言葉としてリゼルヴァがある。こちらも熟成期間などについて厳密に定められている。実はリゼルヴァとスペリオーレという言葉にはあまり差がなく、本質的には同じものとして捉えられている。
1992年のイタリア新ワイン法設立に伴いスペリオーレという分類表記は減少しており、将来的には廃止される方向にある。
オヴァーダ(ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ)の代表的なワイン
ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ / ルイジ・タッキーノ
オヴァーダ・ ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ / カーザ・ウォレス