ゲンメの気候・風土
ゲンメ(Ghemme)は、イタリア・ピエモンテにあるワイン生産地だ。1997年にD.O.C.Gに指定されている。
ピエモンテ北部、アルプス山脈の裾野にあるゲンメの村周辺が該当する。川を挟んですぐ北東にあるガッティナーラと並んで、ピエモンテ北部のワイン生産地として知られている。土壌は氷河による氷堆積土壌。気候は西岸海洋性気候に属し、年中通して雨が多い。年間降雨量は1000mm程度となる。
栽培されるぶどうはネッビオーロがメイン。この地のネッビオーロは、スパーナというシノニム(別名)で呼ばれる。その他にはクロアティーナ(ボナルダ)も栽培されている。
ゲンメのワインの特徴
ゲンメでは赤ワインのみがD.O.C.G指定されている。ネッビオーロ種を75%以上含むよう定められ、混醸には主にボナルダ種が用いられる。
ガッティナーラと並ぶピエモンテ北部の長熟ワインとして有名だ。熟成期間は36ヶ月間(うち樽熟成が20ヶ月、ボトル熟成が9ヶ月)。リゼルヴァについては、より長い48ヶ月の熟成が必要となる。
鮮やかなルビーレッドに、やや強い酸味とタンニンが特徴。だが、ガッティナーラと比較すると穏やかな味わいとなる。これは、両地域の土壌の違いにも由来する。(ガッティナーラは火山性土壌の斑岩のため)
一押しのワイナリー/当たり年
ゲンメ(Ghemme)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、イオッパ(Ioppa)、ミル(Miru)、イル・キオッソ(Il Chiosso)、デシラーニ(Dessilani)、ロヴェロッティ(Rovellotti)、カヴェナゴ(Cavenago)などが挙げられる。
ピエモンテ州のワインは2008年、2006年、2005年、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1996年、1990年、1989年、1988年、1986年、1985年の出来が良いと評価される。ゲンメワインは、5000円前後の価格・値段のものが多いが、熟成を重ねたものは高価で取引される。
エピソード
バローロやバルバレスコに比べるとあまり日本での知名度が高くない生産地ではあるが、この地でのワインづくりの歴史は古く、古代ローマ帝国時代から製造の記録がある。かつてピエモンテを訪れた古代ローマの学者・大プリニウスの著書にもゲンメのワインに関する記述がある。
この地の著名な生産者に、イル・キオッソ、ミル、イオッパが挙げられる。また、ピエモンテの当たり年は、収量の多かった1996年などが挙げられる。
ゲンメの代表的なワイン
ゲンメ / イル・キオッソ
ゲンメ ヴィーニャ・カヴェナゴ / ミル
ゲンメ / イオッパ