トレイゾの気候・風土
トレイゾは、イタリア北西部のピエモンテ州クーオネ県にあるワイン生産地だ。この地で生産されるワインとして、「イタリアワインの女王」ともいわれる「バルバレスコ」がよく知られている。
トレイゾは、バルバレスコの名前の由来となったバルバレスコ村から見て南に位置する。
トレイゾやバルバレスコのほか、ネイヴェなどで生産されて基準を満たしたワインだけがバルバレスコを名乗ることができる。
トレイゾではバルバレスコの原料となる黒ぶどう・ネッビオーロ種の栽培が盛んだが、モスカートやシャルドネといった品種を生育しているところもある。
土壌は石灰質の泥灰土だ。日当たりの良い南西向きの斜面にぶどう畑が展開しているところが多く、アルプスの雪解けの清流がぶどう畑を潤してくれる。
トレイゾのワインの特徴
「王のワイン」と称され、力強い重厚な味わいのあるバローロワインに対し、バルバレスコはやや繊細でエレガントな風味なのが特徴とされる。
バラやスミレを思わせるアロマに、カカオ系のタンニンの味わいを堪能できる。味が熟成されるにしたがって、ワインの甘味は深みを増していく。
トレイゾでつくられるワインは、近隣のネイヴェなどのワインと比べ、しっかりとした味わいがあるのが特徴。肉料理のほか、トリュフやチーズともよく合う。
エピソード
かつてトレイゾの地ではテロワールという概念がなかった。それが1970年代に入り、エリオ・アルターレ氏らに代表される「バローロ・ボーイズ」と呼ばれる急進派が登場。彼らはワインの生産について、さまざまな改革を推し進めた。
アルターレ氏らはブルゴーニュの生産者たちとも交流を持ち、ブルゴーニュでは当たり前のことだったテロワールの概念を、トレイゾでもようやく採り入れられることとなった。
「バローロ・ボーイズ」はテロワールの他にも小樽(バリック)や回転式発酵タンクなどのさまざまな技術をトレイゾに導入し、ワインの生産について多大な貢献を果たした。
トレイゾの代表的なワイン
バルバレスコ・パヨレ / ソッティマーノ
バルバレスコ・リゼルヴァ / ソッティマーノ
モスカート・ダスティ・プリマドンナ / ヴィジン
ランケ・シャルドネ メリー / ヴィジン