気候・風土
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ(Vernaccia di Oristano)は、イタリア・サルデーニャ州のワイン生産地だ。
サルデーニャ島の西部に位置し、1971年11月にD.O.C指定を受けている。
栽培されるぶどうは、白ワインの原料となる土着品種で、生産地の名前にもなっているヴェルナッチャ種が大半を占める。
気候は地中海性気候で年中通して気温が高い。平均降雨量は700mm前後で、秋季から冬季にかけての雨量が多い。
ワインの特徴
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのワインは、発酵の段階で産膜酵母が発生することが大きな特徴だ。この産膜酵母をフロールという。
フロールが発生する理由はその熟成方法にある。通常、ワインの熟成は樽いっぱいにワインを詰めて行われるのだが、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノでの樽熟成は、わざと空気が入る隙間を開けて熟成されている。
こうして熟成を行うと、空気と触れている部分に白い澱のような膜ができる。この白い膜が産膜酵母だ。産膜酵母といえば、シェリーがよく知られているが、シェリーにおける産膜酵母も同じ原理で発生している。
こうした製法ひとつとっても、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノはイタリアよりもスペインの影響を強く受けている。
製法の違いは色や味にもそのまま表れており、白ワインにしてはかなり色が濃く、オレンジ色に近い。味も白ワインというより蒸留酒に近い独特の味がある。サルデーニャの郷土料理として知られるカラスミとの相性がよいことでも知られる。
エピソード
サルデーニャ島にはスペインから伝わったぶどうが数多く栽培されているが、このヴェルナッチャ種もそのひとつだ。他にはカリニャーノ種、ヴェルメンティーノ種などがある。ヴェルナッチャ種は、14世紀にスペインから伝来したと伝えられている。
またオリスターノには、守護神として伝えられるジュスティーナの涙がワインの元となったという伝説がある。
代表的なワイン
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ / アッティリオ・コンティニ
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ リゼルヴァ / コンティニ