パンテッレリアの気候・風土
パンテッレリアは、イタリア・シチリア島とチュニジア(アフリカ)の間にある小さな島だ。
強風で知られ、1年中吹きつけている風は、時には50度を超える熱風になる。このため、パンテッレリア島で栽培されているブドウの木はかなり低い位置に生え、石垣で囲まれている。
また、強い日差しに恵まれ、乾燥した土地ではあるが、朝晩の寒暖の差が激しいため朝露が発生。ブドウやオリーブの栽培には好条件なのだという。
火山島であり、溶岩でできた岩肌に覆われている。平地が少なく、斜面につくられた畑には機械が入ることはできず、ほとんどの作業が手作業となるため、収穫量はわずかだ。
1971年8月にDOCを与えられ、シチリア地方ではエトナとマルサラに続き、3番目のDOCとなった。「パッシート・ディ・パンテッレリア」、「モスカート・ディ・パンテッレリア」の2つのDOCを名乗っている。
パンテッレリアのワインの特徴
パンテッレリアのワインは、甘口もしくはデザートワイン。
ズィビッボ(モスカート・ディ・アレッサンドリア)種を使用しており、自然状態で乾燥させてブドウの甘みを引き出した後に醸造。さらに出荷までに1年以上寝かせている。琥珀から濃いゴールドで、このぶどう独自の芳香は、ドライイチジクやあんず、ハチミツのよう。温かみと調和を感じる味わいだ。
長期保存の効くリキュールタイプもあり、そちらは「リクォローソ」と呼ばれている。
エピソード
この地のワインの歴史は古く、神話にも登場している。カルタゴの豊穣の女神タニトがアポロにこの地のワインを注いだと言われている。
歴史は古いものの、なかなか島の外にワインが出回ることはなく、イタリアに輸出されるようになったもの1880年だったという。2000年近く、ほとんど外には知られていなかったワインということになる。
パンテッレリアの代表的なワイン
パッシート・ディ・パンテッレリア
モスカート・パッシート・ディ・パンテッレリア