マルヴァジア・デッレ・リーパリの気候・風土
マルヴァジア・デッレ・リーパリは、シチリア島から北東に40kmの沖に浮かぶリーパリ島やサリーナ島を含むエオリア諸島のDOC。
“Liparic Islands” di Wolfram Schubert from Germany – Liparic Islands. Con licenza CC BY 2.0 tramite Wikimedia Commons.
活火山のストロンボリ島や5世紀にも噴火があったリーパリ島、火山学にも名前を残すヴルカーノ島など、噴火によって形成されたと考えられる島が多い。土壌はもちろん火山性石灰質土壌で、軽石や特定の場所にしかない黒曜石で覆われている。
豊富な太陽と美しい自然に恵まれ、観光地としても人気が高く、2000年には世界自然遺産に登録されている。
マルヴァジア・デッレ・リーパリのワインの特徴
“Malvasia Delle Lipari Bottle” by AlMare – Own work. Licensed under CC BY-SA 2.5 via Wikimedia Commons.
マルヴァジア・デッレ・リーパリは、 ギリシャ人が持ち込んだとされる土着品種のマルヴァジア・デッレ・リーパリ種を95%以上使用した白ワイン。時には、黒ぶどう種のコリント・ネロが5%だけ使われることもある。
完熟ブドウを摘んだ後に20日間程度陰干しし、天然の甘さを引き出している。
半甘口から、甘口の琥珀色をした白ワインに仕上がる。アンズやイチジクを思わせる熟したブーケを持ち、豊かなミネラルとみずみずしさを併せ持っている。長く味わえる余韻も特徴的だ。
エピソード
エオリア諸島でつくられる甘口の白ワインは、あまり注目を集めることはなく一時期は廃れていた。しかし、この島々の美しさに惹かれてついには移住をしたデザイナーのカルロ・ハウナー氏が始めたワイナリー「ハウナー」により、1970年代からエオリア諸島のワインに再び注目が集まるようになる。1996年の彼の死後、ワイナリーは息子に引き継がれた。
また、同ワイナリーでは、インツォリアやカタラットを使用した白ワイン「サリーナ・ビアンコ」やネーロ・ダーヴォラ、ネレッロ・マスカレーゼを使用した赤ワイン「サリーナ・ロッソ」などのワインも生産している。
マルヴァジア・デッレ・リーパリの代表的なワイン
フローリオ・マルヴァジア・デッレ・リーパリ
マルヴァジア・デッレ・リーパリ
マルヴァジア・デッレ・リーパリ・パッシート
マルヴァジア・デッレ・リーパリ・ナトゥラーレ