カルミニャーノの気候・風土
カルミニャーノは、トスカーナ州都・フィレンツェから西20kmに位置する四方を山に囲まれた丘陵地帯。この土地の作物の生育の良さは古くから知られており、約3000年前から農耕が営まれている。
土壌は石灰を多く含む粘土質。夏場、日中の気温は高いが、夜になるとアペニン山脈からの風により冷涼となる。この昼夜の寒暖差によりブドウの糖度が増すことから、ワインの生産に適した土地とされている。
カルミニャーノのワインの特徴
トスカーナで広く栽培される赤ぶどう品種のサンジョヴェーゼ種を主体に、カベルネ種やカナイオーロ種を合わせてつくられる。
明るいルビー色で、果実の香りを含み、口当たりは滑らかで飲みやすい。酸味、タンニン、それぞれが主張し過ぎない、バランスの取れたエレガントな味わいが特徴。良い年のワインは長期熟成にも適している。
“Clare Valley Cabernet Sauvignon” by Taryn – originally posted to Flickr as Cabernet Sauvignon. Licensed under CC BY-SA 2.0 via Commons.
なお、この地で造られる赤ワイン、カルミニャーノ・ロッソは、イタリアにおけるもっとも厳正な規定のもとに認可されるDOCGに格付けされており、カルベネ種を使用することが義務付けられている。
エピソード
1533年にメディチ家のカテリーナが、後のフランス国王アンリ2世に嫁いだことで文化交流が生まれ、フィレンツェにボルドータイプのワインがもたらされた。
これをたいそう気に入ったメディチ家が、当時すでに良質のワインとして知られていたカルミニャーノワインにカベルネ種を合わせてつくることを命じた。これが、イタリア在来種に外来種であるカベルネ種をブレンドするカルミニャーノのスタイルの始まりとされている。
“Capezzana carmignano 1925” di Herstory – Template:Own work. shooted in Firenze. Con licenza CC BY-SA 3.0 tramite Wikimedia Commons.
また1716年には、トスカーナ大公コジモ3世が原産地呼称の境界を制定。この際、収量、流通などが厳格に制限されたという歴史的な経緯もあり、カルミニャーノはDOCGワインの産地の中でも最も小さなエリアであり、生産者も10社程度と非常に少ない。
カルミニャーノの代表的なワイン
ヴィッラ・ディ・カペッツァーナ/カペッツァーナ
ヴィン・サント・リセルヴァ/カペッツァーナ
バルコ・レアル・ディ・カルミニャーノ/カペッツァーナ
ピエトラネーラ ピアッジャ/ピアッジャ
カルミニャーノ・リゼルヴァ/ピアッジャ
カルミニャーノ・リゼルヴァ・モンタルビオーロ/ファットリア・アンブラ
カルミニャーノ リゼルヴァ エルツァーナ/ファットリア・アンブラ