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ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの気候・風土
トスカーナ州シエナ県の南東、フィレンツェから120kmのところにあるモンテプルチアーノは、人口14,000人程度の小さな町だ。しかしワインの生産地として世界的に知られている。この町を有名たらしめているのが、イタリア語で「高貴なワイン」を意味するヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの存在だ。
D.O.C.G指定を受けたのは1980年とかなり古い。これは、イタリアンワインの王と称されるバローロワインと同時期のことだ。こうした事実からも、その歴史の深さがうかがえる。
ぶどう畑は、町からやや下った標高250m~350mほどの丘陵に展開している。
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノのワインの特徴
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)は、力強くエレガントな味わいが魅力のフルボディワインだ。材料となるぶどうには、サンジョベーゼ種の70%以上の使用が義務づけられ、かつトスカーナ州での栽培に適した黒ぶどう品種を30%まで混ぜることが可能となっている。かつて使用されていたマルヴァジア種などの白ぶどうは、現在混醸が認められていない。
また、この地で特徴的なワインとしてヴィン・サントが挙げられる。
ヴィン・サントとはイタリア語で「聖なるワイン」を意味する。聖体拝領などの儀式にも用いられる由緒正しいワインだ。1700年代からつづく伝統的な製法によってつくられる。熟成樽の酵母は300年経った今もなお働き続け、ヴィン・サントに芳醇な味わいを与える。
一押しのワイナリー/当たり年
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ(Vino Nobile di Montepulciano)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、アンティノリ(Antinori )、ポリツィアーノ(Poliziano)、サルケート(Salcheto)、トレ・ローゼ(Tre Rose)、アヴィニョネージ(Avignonesi)、ファットリア・デル・チェッロ(Fattoria del Cerro)、デイ(Dei)、ファネッティ(Fanetti)、チェッキ(Cecchi)、テヌータ・イル・ファッジェート(Tenuta Il Faggeto)、イル・コンヴェンティーノ(Il Conventino)、カーサ・ヴィニコーラ・フォッシ・デュィリオなどが挙げられる。
トスカーナ州のワインは2008年、2007年、2006年、2005年、2001年、1999年、1997年、の出来が良いと評価される。1000~5000円台の間の、比較的手に取りやすい価格・値段のものが多い。
エピソード
かつて、メディチ家に仕えていたフランチェスコ・レーディやアレクサンドル・デュマも、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノのワインについて言及していた。
アヴィニョネージ社は、そうしたモンプルチアーノの伝統を守り続けている生産者のひとつだ。フランス・アヴィニョン教皇の名をルーツに持つこの会社は、キャンティ・クラシコなどが有名な地域でありながら、それに並び劣らぬワインを生産し続けた。
1999年には白ぶどうの混醸を廃止し、品質の維持に努めた。そのほかにもセパージュ(ワインの材料にするぶどう品種や、その割合)の見直し、バリック(小樽)方式の採用など、この地のワイン生産に様々な新風を吹き込んだ彼らは「モンテプルチアーノの改革者」と呼ばれた。
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの代表的なワイン
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ / アヴィニョネージ
ロッソ・ディ・トスカーナ / アヴィニョネージ
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ / サングイネート
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ / ラ・ブラチェスカ