トレンティーノ・アルト・アディジェその他

ヴァルダディジェワインの特徴とは

   

ヴァルダディジェの気候・風土

ヴァルダディジェは、イタリア北東部・トレンティーノアルト・アディジェ州のワイン生産地だ。1975年3月にD.O.Cに指定されている。指定範囲は州の広域に及ぶ。

ぶどう畑は主にアルプスのふもとの渓谷や丘陵の斜面に展開しており、水はけがよい。土壌は火山性土壌で、ミネラルを豊富に含む。

栽培されるぶどうは白ぶどうではピノ・グリージョ、ピノ・ビアンコ、シャルドネドイツ品種のシュガウ、リースリングなどだ。また、黒ぶどうでは土着品種のスキアーヴァやエナンチオ(Enantio)、ラグレインなど、この地方独特のものが多い。

ヴァルダディジェのワインの特徴

D.O.Cの規定により、赤ワインはエナンチオ種やスキアーヴァ種を最低50%含むよう定められている。

なかでもスキアーヴァ種による赤ワインは色が薄く、まるでロゼワインのような透き通った琥珀色となるのが特徴だ。バラの香りやアーモンドを思わせるアロマに、色合いそのままの軽妙な味わいを持つ独特の赤ワインとなっている。

また、白ワインについてはピノ・ビアンコ種やピノ・グリージョ種などから最低20%含むよう定められているが、近年この生産地ではピノ・グリージョ種によるものが有名だ。

イタリア語で「灰色」を意味する言葉の通り、ピノ・グリージョは白ぶどうと黒ぶどうの中間の性質を持つ。かつてはロゼワインの原料にもなっていた。コクのある味わいが特徴だ。

エピソード

ヴァルダディジェD.O.Cの大きな特徴として、土着品種のぶどうが多いことが挙げられる。エナンチオもそうした品種のひとつだ。日本国内ではそれほど知られていないが、19世紀後半、ヨーロッパのぶどうに壊滅的な被害をもたらした害虫フィロキセラ禍をも乗り越えた病気に強い品種だ。

エナンチオは19世紀に入りトレンティーノ州で広く栽培されるようになったが、いったんは人気が低下し収量が少なくなった。しかし1990年代に入り地元の生産者によって再興され、その価値が見直されるようになった。別名をランブルスコ・ノストラーノともいう。

ヴァルダディジェの代表的なワイン

ヴァルダディジェ ピノ・グリージョ / サンタ・マルゲリータ
ヴァルダディジェ / アルデーノ

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