トッレッテの気候・風土
トッレッテはイタリア最少にして最北に位置するヴァッレ・ダオスタ州にある村だ。同州にはワインづくりが盛んな7つの地域があり、トッレッテはその中の1つに当たる。
ヴァッレ・ダオスタとは「アオスタの渓谷」という意味。北はスイス、西はフランスの国境に面し、近くにはマッターホルン(4478m)やモンブラン(4810m)といった世界的に有名な山岳もそびえる。そのため、登山愛好家たちの姿も多く見られる地域。国境付近ということから、ワインのラベルはイタリア語とフランス語の両方で書かれているのが特徴だ。
そして、トッレッテ周辺は地形を生かした珍しい栽培環境を整備している。「アオスタの渓谷」の名のとおり、エリア内は急な傾斜が多い。ほぼ崖といってもいいような急こう配の土地を切り開き、棚式でぶどうを栽培している。
気候は1年を通して冷涼。特に冬の寒さは非常に厳しく、夏は涼しい。そのため果実は引き締まり、濃厚な味わいとなるのだ。
トッレッテのワインの特徴
赤・白・ロゼと製造されているが、一番評価が高いのが赤ワインだ。
プティ・ルージュ種と土着品種の混醸でつくられ、非常に香り高い。グラスに注いだ瞬間から、ベリーの鮮やかなアロマが周辺に漂う。非常にかわいらしい果実の赤色をしているのだが、テイストはかなり強い。野性味あふれる素朴さ、そして良い意味で粗野なスパイスとミネラルを感じることができる。
少々独特の酸味も感じるが、上質なタンニンがカバー。他のワインでは感じることのできない個性的なバランスを保っている。
エピソード
トッレッテはもちろん、ヴァッレ・ダオスタ州の平地はなんと約5%しかない。残り95%が丘陵地帯という厳しい環境だ。ヨーロッパ最高峰のモンブランが迫る標高1200mまでぶどう栽培が行われている。そのため、「世界一(標高が)高いワイン」として愛好家たちからは好まれているようだ。
トッレッテの代表的なワイン
トッレッテ/レ・クレーテ