バニョーリ/バニョーリ・ディ・ソプラの気候・風土
バニョーリは、イタリア・ヴェネト州パドヴァ県のワイン生産地だ。バニョーラ・ディ・ソプラとも呼ばれ、パドヴァ市から30kmほど南方のところに位置する。
1995年8月にD.O.Cに指定されており、近隣には同じくD.O.C指定を受けた生産地コッリ・エウガネイがある。また、フリウラーノ種を用いてつくられるバニョーリ・フリウラーノは特別にその品質を認められ、2011年にD.O.C.Gに昇格している。
土壌は火山性土壌で、風化した岩石に含まれるミネラルが豊富だ。気候は地中海性気候で、年中通して気温が高い。海から吹く塩気を含んだ風が白ぶどうに特有の風味を与える。年間降雨量は700mm~900mm前後で、春季と秋季の雨量が比較的多い。
Di Rosenzweig – Opera propria (own picture), CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2922533
バニョーリ/バニョーリ・ディ・ソプラのワインの特徴
赤ワインはカベルネ・フラン種やカベルネ・ソーヴィニヨン種、メルロー種などからつくられる。
それぞれ15%~60%の割合で使用する量が定められていることから、混醸タイプのワインが多い。ブルーベリーやチェリー、カシスを思わせるアロマに、果実味となめらかなタンニンを感じられるバランスの取れたワインとなっている。
白ワインにはシャルドネ種、ソーヴィニヨン種などが用いられる。こちらはオレンジやレモンを思わせる柑橘系のアロマに、フレッシュな酸味が感じられる飲みやすいワインだ。
エピソード
バニョーリには、ヴェネツィア生まれのイタリアの劇作家として知られるカルロ・ゴルドーニが使用した庭園がある。該当する庭園には、ゴルドーニの作品に登場する人物の銅像が飾られている。
また、バニョーリ・フリウラーノに用いられるフリウラーノ種は、小粒だが皮が厚くポリフェノール、糖度ともに高い。収穫が非常に遅いことでも知られ、実際に収穫が行われるのは11月過ぎとなる。
収穫祭として各地でヴェンデミニアが行われるが、この開催もイタリア国内ではバニョーリが最も遅い。