ブレガンツェの気候・風土
ブレガンツェはイタリア・ヴェネト州ヴィチェンツァ県のワイン生産地だ。
1969年7月に赤と白ワインがD.O.Cに指定されている。これは、ヴェネト州でのD.O.C指定としては非常に古い部類に入る。
近隣には、中世からの歴史を持ち、近年では陶器やアスパラガスの生産で有名な都市バッサノ・デル・グラッパがある。
ぶどう畑は、郊外の日当たりの良いなだらかな斜面に広がっている。土壌は火山性土壌に玄武岩の混じったものだ。気候は海洋性気候で、昼と夜の気温差は比較的少ない。
ぶどう畑ではカベルネ・ソーヴィニヨン種、シャルドネ種、マルツェミーノ種、ピノ・ビアンコ種といった種類のほか、土着の白ぶどうとしてヴェスパイオーロ種の栽培が行われている。
ブレガンツェのワインの特徴
赤ワインのブレガンツェ・ロッソは、しっかりとしたストラクチャーに、適度なタンニンを含むフルボディタイプ。メルロー種を85%以上使用するよう定められており、残りはカベルネ・ソーヴィニヨン種が用いられることが多い。
また白ワインは、アーモンドを思わせる独特のアロマ、豊かな酸味にドライな味わいが特徴だ。同じくトカイ・フリウラーノ種を85%以上使用するという指定がある。
この原料となるトカイ・フリウラーノ種については、ハンガリーにも類似した名前のトカイ種というぶどうがあるため、現在は「タイ」という名称が用いられることが多い。
また、こうしたD.O.Cワイン以外にも、白ぶどうのヴェスパイオーロ種を100%用いたワインづくりを行う生産者もいる。
エピソード
ブレガンツェはチーズの産地としても有名だ。別名「酔っ払いのワイン」と称されるウブリアーコ・アル・トルコラート・ディ・ブレガンツェは、チーズを酒粕に漬け込んでつくられる。
この製法は第一次世界大戦中に確立されたもので、戦時中は貴重な食品だったチーズを徴収から守るためにこの製法が編み出された。ワインの樽や酒粕の中に隠しておいたチーズを食べてみると案外おいしかったことが、このチーズの製法のはじまりとなっている。
ブレガンツェの代表的なワイン
ブレガンツェ レ・コッリーネ・サン・ジョルジョ ヴェスパイオーロ / ベアト・バルトロメオ
レ・コッリーネ・ディ・サンジョルジョ・ロッソ・ブレガンツェ / バルトロメオ