コッリ・ベーリチの気候・風土
コッリ・ベーリチ(ベリチ、ベリーチともいう)は、イタリアヴェネト州ヴィチェンツァ県の南部にあるワイン生産地だ。D.O.C指定を受けている。コッリとはイタリア語で「丘」を意味し、ベーリチの丘に沿ってぶどう畑が展開している。
土壌は赤土や火山性の玄武岩を含むものだ。玄武岩にはカリウムなどの養分が豊富に含まれており、この地のぶどうに芳醇な酸味と味わいを与えるのに一役買っている。
年間の降水量は多くないが、丘の上にあり標高が高いことから夏季には霧、冬季には霜がおりる。
コッリ・ベーリチのワインの特徴
コッリ・ベーリチの白ワインは、ガルガッネーラ種、シャルドネ種、ソーヴィニヨン種、マンゾーニ・ビアンコ種、ピノ・ビアンコ種などを用いてつくられる。ステンテスタンクによる熟成を行うタイプのものが多い。
ソーヴィニヨン種からつくられた白ワインは、セージやミントなどのハーブの香りにリンゴ、レモンなどの柑橘系のフレッシュなものを感じさせるアロマ。飲み口はすっきりしていて、ほどよい余韻を感じられる。10度~12度ぐらいのサーブがおすすめだ。
対して赤ワインでは、カベルネ種やメルロー種、タイ種などを用いてつくられている。
チェリーやスミレ、ブルーベリーといった果実のアロマに混じり、カカオやバニラも感じられる。やわらかだがしっかりとしたタンニンと果実の味わいを楽しめる。こちらは16度~18度でのサーブが適している。
エピソード
イタリアには古くからの歴史を持つ地域も多いが、ここコッリ・ベーリチも例外ではない。
修道院や寺院も多く、また聖体拝領などの儀式に使われる関係からワインとの繋がりも深い。こうした歴史的背景から、ワインづくりについても地元と密着した形での研究が行われている。
ヴィチェンツァ商工会議所との共同研究によって、土地ごとの成熟スピードや収穫のタイミングなどが研究された結果、コッリ・ベーリチ産のぶどうは、その土壌・気候条件などから大きく2つに分類されることが分かっている。バルバラーノなどを含む東部の地域では、味のバランスの取れたぶどうが取れるのに対し、西部・南部の地域では、やや酸味の強いぶどうとなる。
コッリ・ベーリチの代表的なワイン
テッレ・アレグレ / チエロ・エ・テッラ
コッリ・ベリチ・メルロー / ダル・マソ・ルイジーノ
コッリ・ベリチ・ソーヴィニヨン / ルイジーノ
コッリ・ベリチ・カベルネ / ルイジーノ
カルメネーレ・ピゥ ヴェネト・ロッソ /イナマ