ピアーヴェ/ヴィニ・デル・ピアーヴェの気候・風土
ヴェネト州には、アドリア海に注ぐピアーヴェ川が流れている。イタリアで5番目に長いこの川の流域に広がっているのが、ワイン生産地としてのピアーヴェだ。「ヴィニ・デル・ピアーヴェ」と呼ばれることも多い。
このピアーヴェがD.O.Cに指定されたのは1971年のこと。ピアーヴェ川の広大な流域にまたがるため、その微気候(ミクロクリマ)もさまざまである。
ピアーヴェ/ヴィニ・デル・ピアーヴェのワインの特徴
ピアーヴェでは、主に赤と白ワインが生産されている。
白ワインはマンゾーニ・ビアンコ種、もしくはシャルドネ種、タイ種、ヴェルドゥッツォ種を用いたものがある。これらのワインについては、メインとなるぶどうが含まれる割合はそれぞれ85%以上と定められている。スミレなどの花を思わせるアロマに、すっきりとした酸味があり、飲みやすいのが特徴だ。
対して赤ワインでは、土着品種のラボーゾを用いた赤ワイン「ピアーヴェ・マラノッテ」がある。ラボーゾはやや大きめの房を持ち皮が厚いため、果実の香りにあふれた力強く重厚なワインをつくることができる。
ピアーヴェ・マラノッテはヴェニスのサンポロ地域にて生産される。そのアロマは、サクランボやプラムなどの森の果実に加え、ほのかにブラックチョコレートを思わせる。重厚なフルボディで、しっかりとした酸味と濃厚なタンニンが感じられる味わい深いワイン。
このピアーヴェ・マラノッテは特別に品質を認められ、2010年にはピアーヴェから独立してD.O.C.Gに昇格した。
エピソード
19世紀後半にイタリアを含むヨーロッパ全土を襲った害虫フィロキセラは、このピアーヴェにも訪れた。多くのぶどうが壊滅的な被害をこうむり歴史ある品種が失われていくなか、ラボーゾは奇跡的に被害を免れた。その意味では、ラボーゾはフィロキセラ以前の多様性を体現した、きわめて貴重な土着品種といえる。
また、ピアーヴェ川流域はチーズの産地としてもよく知られている。
ピアーヴェ/ヴィニ・デル・ピアーヴェの代表的なワイン
ラボーゾ・ピアーヴェ / ガンブリヌス
ラボーゾ・ピアーヴェ / モレット
ピアーヴェ・マラノッテ・ジェルサイア / チェットケット