北海道は、ワイン用ブドウの生産量が日本一で、ヨーロッパ系品種を中心に栽培されている。花を咲かせる時期に梅雨がないこと、収穫時期に台風がないことも、ワイン用ブドウの栽培に適した条件を備えている。
道内にはワイン用ブドウ畑に加えて14ヵ所のワイナリーがあり、ここ数年の品質向上は目覚ましく、評価の高いワインも続々と登場している。
北海道において、ワイン造りは農業のひとつである。北海道のワインの歴史は、山梨県には50年ほど遅れているが、昭和38年には十勝ワインが国内では最初の自治体経営によるワイン醸造を手がけ始めた。それ以来、開拓と挑戦を積み重ねることで世界や国内の醸造技術が次々に短期間に運び込まれた。
2000年頃より、醸造技術の進化とともに個性溢れる豊かな味わいが質を高め、近年は新しいワイナリーも増えてきた。
梅雨や台風の影響が少ない北海道の夏は、湿度が低く、昼夜の寒暖差が激しいのが特徴だが、こうした気候はヨーロッパ系ブドウの栽培にとって最適な条件である。北海道は北緯42~45度に位置しているが亜寒帯性気候に属しており、ブドウ栽培の気候区分ではヨーロッパの北部、北緯49度付近と同じで、ブドウ栽培にとっては北限のエリアに近い。
ヨーロッパにおいてこの北緯のエリアは世界的な銘醸白ワインの産地があり、ドイツをはじめ、フランス北部のシャンパーニュ地方、フランスとドイツの国境地帯にあるアルザス地方などが含まれる。
2013年に山梨で開催された「国産ワインコンクール 2013」では、23都道府県から103のワインナリー、762点が出品されたが、その中から北海道ワイン2銘柄が4年ぶり3度目の金賞を受賞した。金賞受賞は「北島秀樹ケルナー」(欧州系品種白ワイン部門)「おたるケルナースパークリング」(スパークリング部門)で、1本2000以下のコストパフォーマンス賞も同時に受賞した。さらに、ふらのワインナリーでは「バレルふらの白2011」が白ワイン欧州・国内改良品種等ブレンド部門で銀賞し、「コストパフォーマンス賞」も同時に受賞した。