茨城県牛久市の気候・風土
牛久市は茨城県の南に位置しており、東京のベッドタウンとして宅地開発が進んだ。冬の気温は関東平野部では最も低い部類に入る。夏も北東からの風が吹き、熱帯夜は少ない。
明治維新後に政府の雇った農業の専門家D.W.ジョンズにより、この一帯のアメリカ式開拓が進んだが、思ったように開拓が進まなかったために農民に払い下げられた。
浅草にて「みかはや銘酒店」(神谷バーの前身)を開店し、日本産ぶどうによるワイン醸造を考えていた神谷伝兵衛により、明治30年にこの地にフランス産ぶどうが植え付けられたのが、この地でワインづくりが始まるきっかけだったという。
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茨城県牛久市のワインの特徴
神谷伝兵衛は、ボルドー式の醸造方法を実践すべく煉瓦造りの牛久醸造場を建設した。この「シャトーカミヤ」では現在、自社銘柄ワインのボトリングが行われている。
大正時代に13万本あったぶどうの木は、現在はごくわずかしか残っておらず、自社銘柄ワインにはフランスから輸入し熟成させたボルドーやブルゴーニュのAOCワインなどが詰まっている。
この「シャトーカミヤ」の建物は、2008年に国の重要文化財として指定を受けている。
代表的な生産者
牛久市のワイナリーはシャトーカミヤのみだ。このシャトーカミヤでは、現在自社の畑で採れたぶどうの醸造は行っていないため、実質的にはこの土地で採れたぶどうのワインは作られていないことになる。
一方、シャトーカミヤの施設内には地ビールを作るブルワリーやレストラン、バーベキュー設備などもあり、レジャー施設として楽しめるようになっている。また、シャトー内にはかつてのワインづくりについて学ぶことのできる展示室がある。
シャトーカミヤで現在販売されているワインは、1000円台のリーズナブルな価格・値段から販売されている。
エピソード
シャトーカミヤの創始者、神谷伝兵衛は野心的な実業家であり、神谷バー・シャトーカミヤの双方ともに当時としては先進的な試みを多く採用し、明治・大正の政治家や文豪に愛された。
中でも神谷バーでデンキブランというカクテルを発明し、「夢のカクテール」として大変な人気を誇った。現在でもその一杯を楽しみに、多くのお客が神谷バーを訪れる。
茨城県牛久市の代表的なワイン
・牛久ワイナリー 葡萄の城/シャトーカミヤ
・カミヤスペシャルセレクション・サンテミリオン/シャトーカミヤ
・カミヤスペシャルセレクション・シャブリ/シャトーカミヤ