クリコ・バレーの気候・風土
クリコ・バレーはセントラル・バレー地方に属する。チリで2番目に大きいワイン産地だ。
首都サンティアゴから189kmの場所に位置し、カベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランの名産地として知られている。
テーノ川とロントゥエー川のまわりにぶどう畑が広がっている。地中海性気候の影響を受け、冬場に雨が集中する一方、夏は太平洋高気圧の影響により晴天に恵まれて十分な日照量がある。
アンデス山脈寄りのクリコ・バレー東部では、斜面を下ってくる涼風の影響で西部よりも涼しい。従って、クリコ・バレーの主要な産地は、東部に集中している。
土壌は石灰岩と火山岩であり、品質の高いぶどうの栽培に貢献している。
クリコ・バレーのワインの特徴
クリコ・バレーでは、他の産地よりも多品種のぶどうを栽培しているが、主力はカベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインと、ソーヴィニヨン・ブラン主体の白ワインだ。
カベルネ・ソーヴィニヨンは野生のベリーのような力強い香り、濃密で豊かな果実味、なめらかなタンニンのバランスが良い。この地のぶどう栽培は19世紀より始まり、古樹ならではの複雑な味わい深さが魅力的だ。
代表的な生産者
クリコ・バレーの生産者のうち各方面で高い評価を受けている生産者は、ミゲル・トーレス、エシェヴェリア、プンティ・フェレル、ヴィーニャ・レクインガ、テラ・マテル、カリテッラ、モンテス、カーサ・デル・トロ、ルイス・フェリペ、ヴィジャセニョール、ロス・ロブレス、ミラマンなどが挙げられる。概ねリーズナブルな価格のワインだが、一部、5000円を超える値段のものもある。
エピソード
1979年、スペイン・バルセロナの名醸造家ミゲル・トーレスがこの地にワイナリーを設立した。彼はヨーロッパの近代的な設備を持ち込み、量より質を重視した上質なワインを産出。彼の動きがチリ全体のぶどう作りとワイン醸造に、大きな変革をもたらしたと言えよう。
クリコ・バレーの代表的なワイン
・マンソ・デ・ヴェラスコ・カベルネ・ソーヴィニヨン/ミゲル・トーレス
・レゼルヴァ・カベルネ・ソーヴィニヨン/エシェヴェリア
・クラシック・シリーズ・シャルドネ/モンテス
・レゼルヴァ・カベルネ・ソーヴィニヨン/プンティ・フェレル
・レゼルヴァ・ソーヴィニヨン・ブラン/カリテッラ