エルキ・バレーの気候・風土
エルキ・バレーとは、チリ最北のD.O.。コキンボ地方に位置し、ヴィクーニャとパイグアノを擁する。年間を通じて晴れの日が多く空気が澄み切っているため、世界的に重要な天文台がある。
ぶどう畑は海抜1000メートル以上の高地にあり、海抜2000メートルを超えるところもある。このような高地でぶどうが栽培できることには、専門家も驚愕している。また、年間ほぼ雨が降らず、農地には灌漑が必要だ。
このエルキ・バレーと隣のリマリ・バレーは、ぶどうの蒸留酒である「ピスコ」の産地としても有名だ。
エルキ・バレーのワインの特徴
全体を通じてカベルネ・ソーヴィニヨンの作付面積が最も多い。その他メルロー、カルメネール、シラー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、サンジョヴェーゼなどが栽培されている。
エルキ・バレーのワイン生産はまだまだ発展途上だが、さまざまな動きがある。冷涼な地域を利用したサンジョヴェーゼやシャルドネは、凝縮感があり、程よい酸とエレガントな果実味が感じられる。
また、赤ワインについては、イタリアのヴァルポリチェッラ地域で用いられるアマローネ製法(ぶどうを乾燥させてからワインにする)が使われることがある。醸造されるワインは厚みのあるコク、長い余韻があり、肉料理によく合う。
代表的な生産者
エルキ・バレーは、ビーニャ・ファレルニアによって開拓され、ワインづくりが始まった。カルメネール、サンジョヴェーゼ、シラー、シャルドネなどを使用し、高品質なワインを作っている。
他にもカヴァス・デル・ヴァジェ、マジュ、エルキ・リバー、ビーニャ・サン・ペドロといったワイナリーがある。いずれも日常的な価格・値段のワインが多い。
エピソード
この地でワインを作り始めたのは、エルキ・バレーに住むアルド・オリヴィエ・グラモラと、彼のイタリア人の従兄弟、ジョルジオ・フレサティだ。
1995年、ピスコ用のぶどうを食べて感動したジョルジオは、すぐにこの地でワインを作ることを心に決めたという。彼らの設立したビーニャ・ファレルニアのワインは、主要な生産地から遠く離れた地でも素晴らしいワインをつくれることを証明した。
エルキ・バレーの代表的なワイン
カルメネール / ビーニャ・ファレルニア
カルメネール・レゼルヴァ/ビーニャ・ファレルニア
シラー・レゼルヴァ / ビーニャ・ファレルニア
ピノノワール・レゼルヴァ/ ビーニャ・ファレルニア
ソーヴィニヨン・ブラン/ビーニャ・ファレルニア
シラー・レゼルヴァ/ マジュ
ソーヴィニヨン・ブラン/ マジュ