チャコリ・デ・ゲタリアの気候・風土
チャコリ・デ・ゲタリアは、バスク州のギプスコア県のワイン生産地。バスク州は、スペインとフランスの国境にあるピレネー山脈の西側に位置し、カンタブリア海のビスケー湾に面している。
ギプスコアは、海沿いにある。カンタブリア海からの冷たい風の影響を受けるため、寒暖の差が少なく、海洋性気候に属する。降水量は、年間900?1500mmと多く、非常に湿度が高い地域となっている。そのため、ぶどうを棚仕立てにし、風通しをよくしている。
土壌は、主に粘土質や石灰質から成る。
“GR121-3b” by Galder – Own work. Licensed under GFDL via Wikimedia Commons.
チャコリ・デ・ゲタリアのワインの特徴
チャコリ・デ・ゲタリアは、1990年、バスク州の中で最初に原産地呼称D.O.に認定された。ぶどう栽培面積、生産量ともに、同州D.O.地域の中で最大。栽培しているぶどうの98%が白種のオンダラビ・スリ、残る2%が黒種のオンダラビ・ベルツァとなっている。
バスクでは、チャコリと呼ばれるワインがつくられている。チャコリは、収穫後1年のうちに消費される若飲みタイプが中心で、発泡性があるものが多い。
チャコリ・デ・ゲタリアは、酸味とミネラル感に富み、爽やかで軽く、発泡性があるものが多い。雨が多いため、ぶどうの糖度が上がらず、アルコール分は、8?12度と低い。
エピソード
チャコリは、昔からバスク地方で、自家消費用ワインとして飲まれてきた。しかし、19世紀末のフィロキセラ禍により、ぶどう畑が壊滅状態に陥ったことや、その後の不況や戦争などの影響で、再生が著しく遅れてしまった。
1980年代になり、ようやく本格的にぶどう畑を再生させ、新技術を導入した作り手が増えてきた。その先駆けとなったのが、ギプスコア県。フレッシュな発泡性のワインであるチャコリは非常にデリケートであり、再生後も99%はバスク地方で消費されていた。しかし近年、輸送設備が整い、日本でもチャコリを楽しめるようになった。
チャコリ・デ・ゲタリアの代表的なワイン
チャコリ・K5・アルギニャーノ/ローレン・ロシーリョ
チャコリ・ウィン・ベルデア/ローレン・ロシーリョ
チャコリ・チョミン・エチャニス/チョミン・エチャニス
サンタルバ チャコリ/ビノス アチェガ
クルミスティ/ビノス アチェガ
タライ・ベッリ チャコリ・デ・ゲタリア/タライ・ベッリ
チャコリ・ガネータ/ガニェータ