シガレスの気候・風土
シガレスは、スペイン北西部、カスティーリャ・レオン州の中央に位置するワイン生産地だ。1991年、DO指定を受けた。
バリャドリード市の北に位置し、すぐ南をピスエルガ川が流れている。南東にはリベラ・デル・ドゥエロ、南にはルエダ、南西にはトロ、とたくさんのワイン生産地が密集している。
気候は大陸性気候に属し、夏季と冬季の気温差が激しい。夏は40度に達することもあれば、冬は霜が降りることもある。土壌は砂質ローム層、粘土質。
栽培されるぶどうは黒ぶどうのテンプラニーリョ、ガルナチャ。その他、混醸用にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどの外来種も栽培される。
なお、シガレスではテンプラニーリョはティンタ・フィノ、もしくはティンタ・デル・パイスというシノニム(別名)で呼ばれる。
シガレスのワインの特徴
現在では赤ワインの生産のみで、DOとしての白ワインは2011年以降生産されていない。
赤はテンプラニーリョ単一品種によるものがほとんどで、ガルナチャやメルローなどとの混醸も少量生産される。単一品種によるワインは骨格の強い、しっかりとした味わいとなる。一方、ガルナチャとの混醸によるワインは、スパイス・カシスのような味わいが加わる。
樹齢50年以上の、古樹のぶどうが使用されるのが特徴。中には樹齢100年を超えるものもある。こうした古樹から採れるぶどうからは、深みのあるワインがつくられる。
長熟タイプのクリアンサの人気が高い。長い期間の樽熟成を行ったワインならではの、バニラ、ヘーゼルナッツのアロマが魅力的。
エピソード
かつてシガレスは、クラレテと呼ばれる、テンプラニーリョをベースにしたロゼワインがメインの土地だった。
しかし90年代以降、セサール・プリンシペなどの有力な生産者が、古くから植樹されているテンプラニーリョの価値に気づく。彼らはシガレス独自のワインづくりに着手し、高品質なワインも産み出されるようになった。
こうした尽力もあり、近年シガレスの評価は高まりつつある。
シガレスの代表的なワイン
・セザール・プリンシペ
・ラ・レグア・カプリチョ
・シガレス・ティンタ・デル・パイス / トラスランザス
・シガレス / ヴァル・デ・ロス・フライレス
・クリアンサ / マタロメラ