トロ

トロワインの特徴とは

   

トロの気候・風土

トロは、スペイン北西部にあるカスティーリャ・レオン州のワイン生産地だ。スペイン語で「雄牛」を意味する。

サモーラ県西部にある同名の町を中心地とする。サモーラ県は反対側の東部でポルトガルと接しており、国境までは65kmほど。

ドゥエロ川の北岸、メセタと呼ばれる台地にぶどう畑がある。畑の標高は600m~700m。近隣の産地として有名な、リベラ・デル・ドゥエロよりは低い(800m)。

気候は大陸性気候。夏季と冬季の気温差が激しい。夏は30度を越えることもあれば、冬のみならず春に霜が降りることもある。年間降雨量は350mm程度とかなり少ない。こうした厳しいテルーニョ(生育環境)が、この地に栽培されるぶどうに凝縮された旨味を与える。

また、礫岩に覆われた粘土質土壌も大きな役割を担う。礫岩は昼間の熱を吸収して夜間の厳寒からぶどうを守り、粘土質は保水力に優れるため少ない雨を蓄える。

裁判される品種は黒ぶどうのテンプラニーリョが大半を占める。この地ではテンプラニーリョはティンタ・デ・トロというシノニム(別名)で呼ばれる。他の地域と比べ皮がやや厚く、タンニンに富む。

トロのワインの特徴

テンプラニーリョによる、力強い赤ワインで知られる。特に、重厚なフルボディタイプが人気。色合いは濃厚で、ブラックチェリーやカシス、ブルーベリーなどの赤い果実を思わせる凝縮されたアロマをもつ。しっかりとしたアタックに続いて、果実の豊かな味わいが広がる。ステーキやジビエなどの肉料理によく合う。

エピソード

スペインの生産地には、有力な生産者によってポテンシャルを見出され、世界に名だたるワインがつくられるようになったところが多い。

トロもそうした地域のひとつだ。90年代に入り、ベガ・シシリアらが品質の高いワインを作り上げ、評価はうなぎのぼりとなった。

彼らが行った改革のひとつに、アルコール度数の低減がある。かつてトロでは、17%にもなる野性味あふれる赤ワインが作られていた。これを13.5%程度に抑え、バランスを重視したことが人気につながった。

トロの代表的なワイン

・ボデガス・ピエドラ・ラガローナ
・ボデガス・タルデンクーバ・アウトール
・ボデガス・タルデンクーバ・バルヌエボ
・テルモ・ロドリゲス・ガゴ
・マツ・マツ

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