モンサンの気候・風土
モンサンは、スペイン北東部カタルーニャ州のワイン生産地だ。地中海沿岸のタラゴナ県に位置し、内陸に30kmほど入ったところにある。
2001年、DO(原産地呼称地域)に指定された。中央にはさらに上級の原産地となるDOCaプリオラートがあり、モンサンはその周囲を包み込むように指定されている。
土壌はプリオラートと同じく、もろいスレート岩や花崗岩で構成された「リコレリャ」と呼ばれるものだ。
ぶどう畑の標高は海抜350m程度で、急斜面が多いため、機械による作業が難しい。内陸にあるため夏と冬の気温差が激しい。年間平均降雨量は650mm程度。
土壌が乾燥しているため、ぶどうの木は水を探し求め、地下深くまで根を張る。こうして地中深くから吸い上げられた水分や栄養分が、ぶどうに芳醇な味わいを与える。
栽培されるぶどうは、黒ぶどうではガルナチャやカリニェナ、テンプラニーリョのほか、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シラー、カリニャンなどのフランス品種もある。
また、白ぶどうではシャルドネやマカベオなどが栽培されるが、あまり数は多くない。
モンサンのワインの特徴
モンサンでは赤ワインの生産量が多い。ガルナチャ種やカリニェナ種単一のワインに加え、シラー種やカリニャン種、カベルネ・ソーヴィニヨン種を混醸したものもつくられる。
つくられるワインの割合は、ガルナチャ、カリニェナによる単一品種があわせて4割程度。残りがフランス品種との混醸によるものとなる。
オーク樽による熟成が行われることが多い。総じて、地中海の恵みを受けたフレッシュなタイプのワインとなるのが特徴だ。
また、シャルドネ種やマカベオ種による白、ロゼワインにあたるレセルバやグラン・レセルバも少量つくられている。
エピソード
この地域のワインづくりの歴史は長い。12世紀には、カルトゥジオ修道院の修道士によって盛んにワインがつくられていた。
スペイン内戦後、安価なバルクワインの濫造により生産地としての評価が低下したが、近年は再び隆盛を迎えつつある。
モンサンの代表的なワイン
セラン 2011 / ボデガス・オルドネス
セリェール・マロンドロ・ラトリア 2009 / セリェール・マロンドロ
セリェール・マロンドロ・ベスリュム 2011 / セリェール・マロンドロ
レラビ・モンサン 2012 / ビニェス・デン・ガブリエル