リオハの気候・風土
スペイン北東部、ラ・リオハ自治州に流れるエブロ川沿いにぶどうの栽培地が広がり、ワインの産地として知られているのがリオハ(DOCa)だ。
この地方はカンタブリア山脈の南側にあたり、盆地状の土地になっている。北部からの冷涼な風が山脈で遮られるため、大陸性気候の影響を受けるが穏やかな気候だ。
地域はバハ、アラベサ、アルタの3地区に分かれるが、この3地区のぶどうをブレンドして醸造されるワインも多い。
地区ごとに粘土質、石灰質と土壌は異なり、それがリオハのワインに複雑味を与えている。
リオハのワインの特徴
赤ワイン用のぶどうはテンプラニーリョ種が最も多く、ガルナッチャ、マスエロ、グラシアーノの使用も認められている。
芳しいバニラの香りと上質な舌触り、樽熟成による奥行きのあるコクが特徴的。特に熟成を重ねたレゼルヴァ、グランレゼルヴァのクラスはワイン愛好家に高い評価を得ている。
白ワインについてはビウラ種がメインで、その他にマルバシア種、ガルナッチャ・ブランカ種などが使われる。白ワインも樽香の印象的なものが多く、近年の人気上昇に伴い、輸出量の約5%を白ワインが占める。
赤白共に、インパクト勝負の新興国ワインとは一味も二味も違う複雑味と広がりがあり、同時にコストパフォーマンスの良さから、幅広いファンを掴んでいる。
エピソード
リオハでのワイン作りの歴史は古代ローマ時代まで遡ることができるが、質が圧倒的に向上したのは19世紀のことだ。
19世紀前半にフランス・ボルドーの製法を応用した良質なワイン生産が始まり、また19世紀後半には、フランス国内で広がったフィロキセラから逃れたボルドーの醸造家たちが、フレンチオーク樽を使った熟成法を持ち込んだ。
20世紀初頭には、今度はリオハがフィロキセラに襲われ、産地は壊滅状態となったが、10年かけて復興した。1991年にはスペイン内で初の特選原産地呼称(DOCa)に認定され、現在もスペイン随一のワイン産地として世界中から期待を集めている。
リオハの代表的なワイン
プレディカドール・ティント/ベンハミン・ロメオ
プレディカドール・ブランコ/ベンハミン・ロメオ
モノポール/クネ
レゼルヴァ/マルケス・デ・ムリエタ
リオハ・クリアンサ/エルダー・ウガルテ