ブージャスの気候・風土
ブージャスは、スペイン南東にあるムルシア州の中央に位置するワイン生産地。
寒暖の激しい大陸性気候で、夏は40℃に達するなど非常に暑く、冬は氷点下まで冷え込む。年間3000時間におよぶ非常に長い日照時間と、年間300ミリと極端に少ない降水量のため、非常に乾燥しており、植物の栽培には厳しい環境である。
土壌は、石灰質のほか、砂質や粘土質も含まれている。
ブージャスのワインの特徴
ブージャスは、1994年に原産地呼称D.O.に認定された、ムルシア州の中で一番新しいD.O.地域。ボデガと呼ばれるぶどう栽培地が14存在し、ぶどう畑はおよそ400ha。ぶどうの多くは標高700?950mの高地で栽培されている。
ブージャスでは、地元原産のモナストレル種を主に使用しており、品種特有の色合いと香りを最大限に引き出す努力をしている。
色合いと香りは果皮に依るところが多いため、果皮を損なわないよう、ぶどうを収穫するとすぐにワインをつくり始める。こうしてつくられたブージャスのワインは深い赤色で、豊かなフルーツの香りを持つ。また、非常に濃厚であり、渋味と果実味を楽しめる。
エピソード
20世紀半ば、ブージャスはバルクワインと呼ばれる、ブレンド用の質の低い、安価なワインの生産地として有名だった。
しかし1980年代半ばになり、新しい技術を導入するなど、ワインの品質向上をはかるワイナリーが出現し始める。
その結果、ようやく近年になり、高樹齢のモナストレル種を使用した高級ワインづくりにたどり着いた。ブージャスで栽培されているモナストレルは、隣のフミージャD.O.よりも質が良いとさえ言われている。このため、今後の期待がもてる地域である。
ブージャスの代表的なワイン
ラビア/モリーノ・イ・ラガレス
テソロ・デ・ブージャス/ボデガス・デル・ロサリオ
ロルカ・モナストレル/ボデガス・デル・ロサリオ