フィロキセラの意味/解説
フィロキセラ(Phylloxera)とは、アブラムシの一種で、ぶどうに寄生して樹液を吸い、ぶどうを枯らしてしまう害虫。
フィロキセラは、産卵や樹液を吸うため、葉や根にコブ形成する。そのために、ぶどうの木は栄養不足に陥り枯れてしまう。
もともとはアメリカにのみ生息していた。しかし、1860年代前半にフランスのワイン商が、品種改良のためにアメリカから取り寄せたぶどうの木に寄生していたことでヨーロッパにもたらされる。
その結果、フィロキセラに対する抵抗力を持っていないヨーロッパのぶどうは次々と枯れてしまった。これが、ヨーロッパのワイン産業に大打撃を与えたフィロキセラ禍の始まりとされている。
フィロキセラの被害は、ポルトガル、スペイン、ドイツ、オーストリア、イタリアにまで広がった。その後、ヨーロッパぶどうをアメリカぶどうの台木に、接木することでその被害を防げることが分かり、次第に収束していった。
フィロキセラ対策として、現在では、抵抗をもつぶどう品種の台木に収穫したいぶどう品種を接木する方法が主流となっている。