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赤、白、ロゼ――。ワインの種類は大きくこの3つに分かれるが、同じ「赤ワイン」でも産地や造り手、使用しているぶどう品種によって、ワインの特徴はずいぶん違ってくる。
ワインを本格的に楽しみたいのなら、そうしたワインの特徴の違いについて理解しておきたいところだ。そこでWineBazaarでは、インフォグラフィック「Red Wine Infographic: Everything You Need to Know about Red Wine」を参考に、世界各国の赤ワインの特徴の違いをまとめてみた。
次の各ページから、国ごとに異なる赤ワインの特徴をチェックしてもらいたい。
フランス産赤ワイン
フランスのぶどう畑は厳しい格付け制度によって統制されていることから、世界最高水準の赤ワインが生産される。良質で、個性的な赤ワインが生産されるのは、大西洋を流れる暖流と地中海性気候の恩恵に依るところが大きい。
醸造に使用される赤ワイン用のぶどう品種はバラエティに富む。メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、ガメイ、シラー、ムールヴェードルなどが主要品種だ。
イタリア産赤ワイン
南北約1200kmにわたり北緯37~47度に位置する地理的条件、地中海沿岸地方ならではの気候、そしてワインづくりに適した土壌。こうした条件が、イタリアの赤ワインを世界トップレベルに押し上げている。
サンジョベーゼ、モンテプルチャーノをはじめ多種多彩の地元固有種により赤ワインが醸造される。いずれのぶどうにも共通する特徴は、チェリーに似た酸味と風味、それをベースにしたイチゴやラズベリーなどの赤系果実やチョコレートの風味だ。
5000種類以上を誇るイタリア赤ワイン用ぶどう品種の特徴をチェック
スペイン産・ポルトガル産赤ワイン
スペインは夏の陽射しが強く、土壌が乾燥しやすい。そこでぶどうの木が低木に育つように剪定し、凝縮したぶどうの房ができるように工夫している。スペインの高級赤ワインは、品質による等級と樽の中での熟成期間に関して細かい規定がある。
一方、ポルトガルは、ヨーロッパの中でも古くからワイン文化が根差した国のひとつ。近年、才能豊かな醸造家の出現もあり、個性的なワイン造りが進んでいる。
スペインらしい赤ワインを生み出す樽熟成に関する規定をチェック
ドイツ産・オーストリア産赤ワイン
ドイツはワイン生産地の中で世界最北端に位置する。北緯47~52度という高緯度に位置するので、かつては通常の赤ワイン用ぶどうの栽培は困難だった。
オーストリアでは元々、白ワイン用のぶどう栽培が盛ん。しかし、ここ20年で赤ワインの生産は倍増した。ぶどうの栽培は主にオーストリア南西部のブルゲンラント州で行われている。
アメリカ産赤ワイン
アメリカは質の高い赤ワインを生産するワイナリーも多く、「将来フランスを凌ぐのではないか」と言う専門家もいるほどだ。国内のワイン生産量の90%をカリフォルニア州が占める。赤ワイン用ぶどうの主要品種はカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ピノ・ノワールだ。
広い国土を誇るアメリカ、州ごとに異なる赤ワインの特徴をチェック
チリ産・アルゼンチン産赤ワイン
新興のワイン生産地として注目を集めるチリとアルゼンチン。アルゼンチンの赤ワイン用ぶどうの主要品種はマルベックで、コクと豊潤な香りが特徴。一方、チリワインはチョコレート、緑コショウ、ローストしたバニラビーンズの味わいが特徴だ。
2015年の国別ワイン輸入量でトップになったチリワインの特徴をチェック
オーストラリア産・ニュージーランド産赤ワイン
オーストラリアは世界に先駆け、ボックスワインやスクリューキャップを導入するなど進取の精神にあふれている。
ニュージーランドの赤ワイン、特にピノ・ノワールからつくったものは渋みが少なく、フルーティーな味わいのため、ワイン初心者でも飲みやすい。