ムロン・ド・ブルゴーニュ

ムロン・ド・ブルゴーニュとは――味の特徴、おすすめワイン、主な産地をチェック

   

ムロン・ド・ブルゴーニュの意味/品種

ムロン・ド・ブルゴーニュ(Melon de Bourgogne)とは、フランス東部のブルゴーニュ地方原産の白ワイン用ブドウ品種。フランスのロワール川沿いの地域で栽培される白ワイン用の品種。シュール・リー製法で造られるミュスカデの原料で、ミュスカデと呼ばれることもある。

Muscadet Vineyards (Melon de Bourgogne)

ムロン・ド・ブルゴーニュの主な産地

以前はこの品種はブルゴーニュ地方からロワールの河口辺りまで広く栽培されていたが、ブルゴーニュではシャルドネ種に植え替えられ、今日ではロワール河口部での栽培だけが残っている。1709年の寒波でロワール地域のブドウが全滅したことから、耐寒性が高いブルゴーニュ原産のこの品種が導入されたとされる。ロワール河口のナント地方では暖かい春がブドウを霜から守るためこの品種の栽培が拡大され、現在ではこの品種の世界の栽培の90%を占めるに至っている。この地方のワインであるAOCミュスカデに使用される唯一の品種であることからミュスカデと呼ばれることもあるが、アルザス地方で栽培されているミュスカ(マスカット)とは別物である。

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ムロン・ド・ブルゴーニュの特徴

AOCミュスカデは、緑がかった透き通った色調で、フレッシュなアロマを持つ軽くて爽やかな白ワインである。ミュスカデはシュール・リー製法が用いられることが多い。シュール・リーとはフランス語で「の上」という意味で、ワインを澱引きせずに静置し数ヶ月間熟成する手法である。

こうする事で澱の主成分である酵母菌体が自己分解し、アミノやペプチドがワインに溶け込みワインに深みや幅を与える。こうして造られるミュスカデは独特の味わいがあり、白い花と柑橘類を思わせるアロマが醸し出され、その香りはパンのイースト香などに例えられる。また、シューリ・リー製法で造ったワインは発酵で生じた炭酸ガスが少し溶け込むため、微発泡が見られる。グラスに注ぐとグラスの底や縁に細かい泡が付くことがこのワインではよくあり、この泡の刺激によって爽やかな味わいがもたらされる。

この品種はアメリカのオレゴン州でも栽培されている。アメリカではAOCミュスカデの品質が法的に守られており、アメリカ産のワインにその名前が引用されないよう、ミュスカデという名前の使用は禁じられている。また、使用品種として記載する場合なども正式な品種名か短縮形のムロンと呼ぶように定められている。

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